山陽日日新聞ロゴ 2003年12月16日(火)
全国から1163点
写真家、松本徳彦氏「ヒューマンの視点で」
 観光写真の概念超える
  「写真のまち四季展」結果発表を
干してあるタコ、すだれ、尾道水道 細い道を歩く犬
 尾道を題材にした写真コンテスト「写真のまち尾道四季展」の
審査が14日、市公会堂別館で開かれ、入賞はじめ各賞の受賞作
品が決まった。
 絵画部門の「絵のまち尾道四季展」と並ぶ全国規模の写真コン
テストをめざして、写真のまち尾道四季展実行委員会(宮地秀昂
委員長)が主催。尾道の自然や文化遺産、祭りなどをテーマに募
集したところ、県内を中心に全国の328人から合わせて1163点
が寄せられた。地元尾道市内の84人はじめ県内からは210人、
海外からオーストラリア人、ドイツ在住の邦人からも応募があっ
た。
 審査は尾道出身の写真家松本徳彦・日本写真家協会専務理事と
佐々木照雄、亀田義博の両尾道市美術展審査員の3人が行い、大
賞(賞金30万円)には岡山県の伊藤稔さん(60)の「路地」(=
写真右)が選ぱれた。尾道地方からは銀賞に川本洋子さん、銅賞
に平本邦彦さんと出品者最高齢の河村悠紀男さんが上位入賞し、
4人が入選、6人が佳作、5人が特別賞に入った。受賞者はつぎ
の皆さん(入選以下は尾道地方のみ)。
 金賞=「家路」小川恵司▽「目が合った」水元慎治。
 銀賞=「水道物語」川本洋子(=写真左)▽「春爛漫・千光寺」
赤塚弘光▽「春花の中で」寺田正春。
 銅賞=「朝日のあたる町」高橋昌樹▽「雁木と船だまり」田口
孝▽「放浪記と尾道夜景」平本邦彦▽「奉納吉和おどり」河村悠
紀男▽「ゆっくり二人旅」佐藤貢。
 入選(10点)=「津部田住吉祭」九十九繁▽「花宴」坂井勝三
▽「鼓岩からの写生」田頭康成▽「多宝塔」沼野賢。
 佳作(20点)=「七月」毎田真二▽「絵になる町尾道」赤瀬一
人▽「ぎおん祭」黒塚保之▽「坂道の二人」谷口孝俊▽「明日の
漁」黒田義則▽「千光寺公園」田頭康成。
 尾道四季賞(12点)=「雪の高見山」木曽武司▽「合格祈願
(御袖天満宮)」筒井節男▽「黄金色の尾道風景」平本邦彦。
 尾道新百景賞(5点)=「夕暮れ時」西垣正明▽「古都の秋日」
田坂浩一(東則末町)。
 審査委員長の松本氏は「初めての催しで、全国から千点を超え
る応募があったのは、まず良かった。いわゆる観光写真の既成概
念の枠を超え、ヒューマンの視点でとらえた作品が多く、審査も
その気持ちで行った(結果が観光に繋がれば良い)。いつ来ても
写真が撮れて、楽しめて、良かったなあと思える光景に出会える
のが尾道の魅力。尾道ならではの発見写真が興味深かった」と講
評した。
 大賞作品については「尾道の小路と坂道を典型的な姿でおさめ、
たまたま通りかかった犬を入れるなど、タイミング良くとらえて
いる。観光写真の大賞に選ぶには勇気がいったが、この写真を見
た人に『尾道ってそんな町なのか』と感じさせる作品である。石
畳の表情が生きている」と高く評価した。
 入賞、入選作など134点は来年2月29日から3月14日ま
で、市立美術館で展示する。表彰式は初日午前10時から展示場
で行う。



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