山陽日日新聞ロゴ 2003年4月26日(土)
藤本賞の特別賞
 プロデューサー 大林恭子さん受賞を
  長年にわたる映画製作讃えられ
受賞した大林恭子プロデューサーと大林宣彦監督
 長年、大林映画のプロデューサーをつとめている映画作家、
大林宣彦監督の夫人、大林恭子さんが、功績のあった映画人
に贈られる第二十二回「藤本賞」の特別賞に選ぱれ、授賞が
決まった。
 藤本賞は,映画づくりに生涯を捧げ、277本もの作品を
世に送り出した名プロデューサー、藤本真澄さん(故人)を
讃えて映画配給会社・東宝が設けている賞で、毎年功績著し
い活躍をした映画製作者を中心に授与されている。映画プロ
デューサーにとっては、最も崇高で名誉ある賞と言われる。
 恭子さんは、成城大学時代に監督と出会って以来、ほとん
ど全ての大林映画の製作に携わっており、尾道三部作《転校
生》(1982年)から本格的にプロデューサーとして参画。
 昨年公開した《なごり雪》の製作に対する功績が認められ
たもので、授賞理由は「大林宣彦監督の公私にわたるパート
ナーとしてほぼ全作品に参加し、企画から上映に至る全過程
を支え、今作では尾道ならぬ大分県臼杵を舞台に思春期の初
恋と苦い悔恨を消えかかる雪に託して描き、心に残る感動作
を完成させた功績に対して」として、半世紀近くにわたって
の映画活動を讃えたもの。
 「私などは最も縁遠く、思ってもみなかったので、嬉しい
です」と恭子さん。全国一斉の公開ではなく、自ら地方を巡
りながらのいわば自主上映の形で広まったくなごり雪》が、
高く評価され認められたと言える。
 授賞式は6月3日、東京丸の内のパレスホテルで行われる。
 ちなみに昨年ニ十一回の藤本賞の特別賞は、俳優の高倉健
さんに贈られている。

転載責任者メモ:監督はご自身がもらう以上に喜ばれているのでは。
        プロデューサーは本当は先陣を切って働いている立場
        ですが、世間的には隠れた存在なので、こういう方が
        評価されるのは大変嬉しいニュースです。おめでとう
        ございました。

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