山陽日日新聞ロゴ 2003年4月16日(水)
坊士番所の雨漏り防止
 肝を冷やしながら屋根で作業
屋根に人が乗って工事
 江戸時代の国境番所として全国にわずか3か所しか現存して
いない、その1つ、高須町坊士、福山藩番所。先般の強い春一
番の強風と、このところ断続的に雨が降り続き、屋根を覆って
いた防水シートが破れ、13日、「番所保存会」(阿草孝会長)
が応急修理した。
 江戸時代の番所屋敷として典型的な間取りや構造を残し、し
かも現地にそのまま保存されて街道を見張っているのは全国で
も、ここ坊士番所だけで歴史的に極めて貴重な文化財であるだ
けに、保存会の会員もそのメインテナンスには細心の注意を払
っている。
 阿草会長ら保存会会員4人と当家の岩田正治さんが屋根の上
に登り応急修理。一番、痛んでいたのはツマの部分で、そこに
不用となった懸垂幕(幅1.2m、長さ15m)2本をかぶせて、
ロープでとめた。
 みんな屋根の上での作業は初めて、それも江戸時代からの古
い屋根のため老朽化、いつ落ちるか判らないので命綱を張って
肝を冷やしながらの作業で、仕事を終え地面に降りた時はケガ
もせず、胸をなでおろしていた。阿草会長は「本格的に雨が降
る梅雨までには新しい防水シートを注文し、張り替えたい」と
話していた。
 番所保存会は修理に向け募金運動を展開、今年度は県史跡指
定に向け、申請していく。


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