山陽日日新聞ロゴ 2003年3月29日(土)
別れ惜しむ
 「こじま」よ、ありがとう
   さよならセレモニー800人で賑わう
こじま さよならセレモニーこじま
 「こじま」よ、ありがとう−と、さよならセレモニーが28日
午前10時半から向島町立花深浦湾でおこなわれ、約800人が
参加、別れを惜しんだ。
 新田賢慈議長らを来賓に迎え杉原孝一郎町長が「20年前にこ
じまの修繕に立ち会い、感慨もひとしお。30年にわたりシーマ
ン2700人を育てたのち青少年の海洋体験に貢献してきたが老朽
化が進み、また行政環境も許さず、解体される。さようなら」
と涙ながらに別れを告げた。
 来賓の高山博州県議は「海に囲まれた向島に相応しい施設だ
った。山間部の沢山の山の子ども達がこじまに世話になってき
た。自然と接する機会をもっと作っていって欲しい。こじま君
ごくろうさん」と慰労していた。
 平野賢治呉海上保安大学事務局長は「こじまで訓練を受けた
乗組員として最後に立ち会えたのは幸せ。運のいい船で普通、
任務を終えると解体か魚礁として沈められるが、この地で第2
の人生を過ごした。引退は残念だが町民の皆さんに感謝してい
る」と惜別の辞をのべていた。
 杉原町長から、こじま元船長の吉原昭三氏ら5人に感謝状が
贈られた=写真上=。
 こじまは練習生を乗せてアメリカ、オーストラリアなどに遠
洋航海、66年の全日空羽田沖墜落事故の捜索に従事するなど輝
かしい足跡を残してきた。
 こじまにお別れを告げようと次々に町民らが乗船=写真下=、
カメラにその勇姿を写していた。
 アトラクションとして高見小児童が勇壮な「高見山太鼓」な
ど次々と繰り広げられ、また特製の海鮮炊き込み御飯など行列
が出来、にぎわいをみせていた。

転載責任者メモ:こじま全景写真は27日付記事で使われていたもの

ニュース・メニューへ戻る