山陽日日新聞ロゴ 2003年1月10日(金)
「石のふくろう」が見えない看板の案内
 
「世界初に自信持って」
  観光携帯ナビが正月休み返上で
挨拶する市長  石のふくろう
(続報)尾道商工会議所(佐藤忠男会頭)が昨年、創立110周
年記念事業として尾道市に寄付した「尾道観光携帯ナビシステ
ム」のオープニングイベントが年の暮れの29日(日)にJR尾
道駅前で行われ、世界で初めての『挑戦』がここ尾道でスター
トした。
 午後1時からの「どこでも体験ツアー」の出発式には、行政
や会議所、観光パートナーの会や尾道大学生、それに市民や通
りがかりの観光客ら約80人が参加。
 亀田市長が挨拶の後、製作者の東北芸術工科大教授竹村真一
さんが駆け付けマイクを持ち「どこにも世界初の文字がないが、
これは正真正銘の世界で初めての実験。もっと皆さん自信を持
って、世界で初めてと言うことを発信してほしい」と自らの作
品に自信と誇りを示した。
 案内役のアイコンの「石のふくろう」を制作している園山春
二さんも挨拶。亀田市長と石川悟副会頭の2人がふくろうの石
板に記念の刻印をした。
 当日までに市内の40か所に「ふくろう」のアイコンを設置
したが、3月末までには約200か所に増設する目標でいる。
 29日と30日、大晦日と元日は休んで2日と3日の4日間
にわたり、駅前と商店街のよろず(萬)案内所、千光寺の3か
所に案内所を開設した。
 駅前では、4日間で230人が来所し、うち60人に携帯電
話にサイトスティックの注入サービスを行った。
 萬案内所では、同じく4日間で370人が来所し、うち70人
に注入。
 千光寺では、3日の日を除く3日間で350人来所、90人
注入だった。3日の日にはしまなみ交流館で開設し、100人
が来所し5人に注入した。
 全体で1050人が来所し、225人に携帯ナビシステムを
注入したことになる。
 同時に、11月25日からホームページでも試験運用を開始。
年明け7日まで7日までに約3000件のアクセスがあったが、
29日以降7日までが1300件で、急増傾向にあるという。
 携帯ナビシステムは「見えない看板」。目印の石のふくろう
の番号をピッピッと押すだけで、その場所のあらゆる情報を携
帯電話上で知ることができる。
 これが広く普及すると、看板のように1度立てたら情報が同
じという状況ではない。日々の変化に応じた情報が、観光名所
だけでなく、公共施設や個店あるいは個々の商品についてまで
知ることが可能になってくる。
 「本当に伝えたい」という情報が、知りたい人に「伝わる」
画期的なシステム。
 景観や美観を損なうこともなく、世界遺産登録に挑戦する尾
道にとっては、最も相応しい強力な助っ人に成り得る。


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