山陽日日新聞ロゴ 2002年6月6日(木)
芙美子月間で
 命日近い壺井栄に注目
  市立美術館が企画展と上映会を
企画展会場
 東久保町、尾道市立図書館(大畠敏彦館長)は、館内ロビーで
「林芙美子と壺井栄展」を開いている。29日まで。
 28日が尾道ゆかりの作家林芙美子(1903〜51年)の命日にあ
たることから、図書館では毎年6月に、芙美子に因んだ企画展を
開催しているが、今年はまだ無名の時から関わりがあり、尾道に
も立ち寄ったことがある、作家壺井栄(1900〜67年)にスポット
を当ててみたもの。栄の命日もちょうど今月の23日。
 芙美子は、因島出身の岡野軍一と別れた後、同棲していた詩人
で俳優の田辺若男の紹介で、1924(大正13)年に東京・本郷の南
天堂書店2階の喫茶で、詩人の壺井繁治(栄の夫)らと知り合う。
翌年には世田谷区太子堂で、壺井夫妻の住む隣に詩人の野村吉哉
と居住。壺井夫妻とは互いに生活を助け合い、文学的な影響を受
け合ったという。42年4月には、江田島海軍兵学校からの帰りに、
尾道に立ち寄って、芙美子の恩師今井篤三郎や小林正雄、旧友た
ちと交遊、記念写真も撮っている。
 展示は、同図書館発刊の「尾道の林芙美子−今ひとつの視点」
(1994年)など芙美子研究の書物30冊と、栄の代表作『二十四の
瞳』や繁治著の「児童文学全集」など20冊を紹介している(=
写真)。
 図書館では命日に因むイベントとして、芙美子原作の映画「南
風」の上映会を22日午後2時からと4時から、視聴覚ホールで
行なう。


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