山陽日日新聞ロゴ 2002年4月2日(火)
生活感あふれる風景
 モノクロと色彩ペン画展
作品を前に外山昇さん
 新浜1丁目、画廊喫茶・あすなろで「外山昇ペン画展」が開かれ、
訪れた人の目を楽しませている。15日まで。
 外山昇さん=広島市在住=が尾道風景をモノトーンのペン画と彩
色ペン画で描いた16点を展示。
 テーマは「故郷尾道の詩情」。目の飛び込んでくるのはF50号
の大作「初夏多宝塔」、彩色ペン画で浄土寺多宝塔を中心に据え、
尾道水道、対岸の向東を展望している。
 アクリル絵の具を使った「静寂と夕日と」は浄土寺瑠璃山から市
街地や三原を望んだ、おなじみの風景にススキがかき加えられ、晩
秋の夕陽とマッチ、そこはかとない詩情をかもし出している。
 「猫と浮雲」は石畳の路地、屋根にネコがたたずみ、浮雲がたな
びき、生活感がにじみ出た、いかにも尾道らしいモノトーンの作品
で評判を呼んでいた。
 尾道風景のほか福山鞆の浦、三原仏通寺なども出品されている。
 外山さんは武蔵野美大や日本デザイナー学院で油彩やペン画を習
い、i・m・a(国際現代美術家協会)展では都知事賞、協会賞、
00年には文部科学省大臣奨励賞を受賞。選ばれる立場から逆に同賞
の選考委員になった。
 「モノクロの1本の線で多彩な色彩を感じさせる技法と新たに色
彩ペン画を取り入れ、それぞれモチーフによって使い分けしていき
たい」(外山さん)と話していた。


ニュース・メニューへ戻る