山陽日日新聞ロゴ 2002年1月19日(土)
観光の恩人
名誉市民三木半左衛門翁顕彰会発足へ
 
研究資料冊子発行 樫本慶彦さん講演
  子孫ら招き、法要や記念植樹など
明治38年頃、千光寺の墓の前に立つ三木半左衛門
 桜の名所として全国的な定評をうける要因となった千光寺公園の
基礎を築いた市名誉市民三木半左衛門(1834〜1912)の偉業を称え、
その功績を広く知ってもらおうと、没後90年の命日(23日)を前
に20日午前10時から東土堂町、千光寺に関係者や有志らが集い法
要など営み、記念事業を通じ、三木半左衛門翁顕彰会を発足させる。
 三木は阿波国(現徳島県三好郡)に生れ、22才で独立し阿波染
地卸売を開業。尾道に販路を広げ、土堂に居を構え、呉服からさら
に書籍販売の三木文明堂を設立。一方で頼山陽をはじめ文人墨客が
訪れ称賛してやまない千光寺山からの景観を生かし、町の人々の憩
いの場にと、通っていた千光寺囲碁の会員とはかり、海に面した中
腹約4450平方mの公園化を計画。当時の町役人らを動かし、寄付金
を集め1894年、尾道共楽遊園地(旧千光寺公園の前身)の工事に着
手。公園の造成や山麓からの登山道など難工事と資金難に見舞われ
ながら1902年に完成させ、市に寄付。桜の名所として千光寺の玉の
岩などとあいまって観光都の名声を不動にしたもの。
 発起人は三木の業績を調べ、冊子「尾道千光寺公園の開発と三木
半左衛門」を著した尾道出身の会社役員樫本慶彦(広島市在住)、
市文化財保護委員入船裕二、千光寺住職多田義信、同総代長武田諭、
雑貨店経営島居勝の五氏。
 記念事業には三木の孫の娘池辺真理子さん(東京)を招き、20日
午前10時から千光寺仏堂で命日法要、ついで顕彰会の設立総会を
開き、このあと同寺南下の墓所を参詣、旧公園で桜の記念植樹をし
たあと、持仏堂に戻り、樫本さんによる記念講演が予定されている。
 市名誉市民は、昭和43年に設立した市民条例にもとづき、平山
角左衛門、山口玄洞、そして三木の3人が、遅れて小林和作が選ば
れたもの。港の恩人平山は港まつりで、水の恩人山口は顕彰会、さ
らに絵画など文化の恩人小林も和作忌や街頭展など各種行事を通じ
喧伝されて来たが、何故か観光の恩人三木だけその存在が薄く、そ
の火付け役となった樫本さんの長江中、尾道北高校の2年後輩が縁
で準備会の代表をつとめることになった島居さんは「これを機に旧
公園を含めた千光寺公園の再開発と曲がり角にきている観光振興・
発展のきっかけになれば幸いです。多くの人たちに来ていただきた
い」と話していた。


転載責任者メモ:この行事は予定通り行われ22付けの新聞に
        載りました。内容は繰り返しになるので、写真だけ
        ご紹介します。

講演する樫本さん講演する樫本さん
墓所での供養と旧公園での桜植樹墓所での供養と、旧公園での桜植樹

ニュース・メニューへ戻る