山陽日日新聞ロゴ 1998年8月22日(土)
県近代化遺産 尾道市編..(2)
 当時の最新鋭機器設備  土堂2丁目、宮邊商店
宮邊商店外観
 旧市街地の中心地に位置する土堂2丁目住吉浜に昭和初年に竣工
した「塗源」の屋号をもつ海産物問屋宮邊海産−。建物は、間口10m
の鉄筋コンクリート3階建て。今治の業者の設計によるもの。
 中央に荷物を運搬するためのリフトが設置され、各階の躯体はラ
ーメン構造。1階入口右側の事務コーナーのカウンター後方の状差
しには、日本各地とともに朝鮮、樺太等の地名が書き残され、殷賑
を極めた時勢が偲ばれる。
 木製ガラス張りの電話ボックス、三角柱型ガラス張りの看板など
写真5枚、それに南側立面図、屋根伏図、3階平面図を添え紹介、
「建物内外に昭和初年の最新鋭機器を整備し、港町尾道の先取の気
風を雄弁に語っている」としめくくっている。
尾道らしい魅力的風景
 山波町、中国電力尾道変電所
中国電力尾道変電所
 山波町の国道2号線沿い、尾道造船所内に林立するクレーンを背
景に赤煉瓦が魅力的な中国電力尾道変電所−。
 広島県の電力事情は、明治30年に発足した広島水力電気に始まり、
明治44年呉電気鉄道を合併し広島呉電力、さらに大正10年広島電灯
が合併し広島電気、そして戦時下に中国電力へと。尾道変電所は火
力スチームタービン2基による11700kw の電力を供給する施設とし
て大正12年に竣工。
 建物は煉瓦造および鉄筋コンクリート造。屋根はクィーンポスト
トラスによる鉄骨造で波形金属板で葺かれている。
 外観は単純化された古典様式で、赤煉瓦の壁には柱形が整然と並
び、その間に矩形の窓と腰壁が交互に配されている。
 「交通、景観に恵まれた立地であるので、歴史都市尾道唯一の本
格的な煉瓦建築として、今後の保全・活用が期待される」と結んで
いる


転載責任者メモ:山波町=さんばちょう

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