山陽日日新聞ロゴ 2001年8月7日(火)
提灯ゆらめき、優雅な調べ
 幻想的な"平安絵巻"
  岩子島厳島神社の管絃祭
岩子島厳島神社 提灯でいっぱいの御座船
 向島町指定文化財、「岩子島厳島神社管絃祭」が5日夜、催され、
岩子島海水浴場沖合に船の提灯がゆらめき、幽玄な調べが響き、平
安絵巻が繰り広げられていた。
 祭りが始まる前、待望の雨が降ったが、ほんのつかの間の通り雨
で、おしめり程度。幾分、涼しさが感じられ、町内外から約1000人
が見物に訪れていた。
 夜6時、筆影山に夕日が沈む頃、松明を焚いた、さいとう木船を
先頭に、ご神体の天秤を安置した御座船と2隻の伴走船が大鳥居を
出発、塩釜神社沖合の尾道水道をゆっくりと御座船が旋回。岩子島
地区大組長らが近くの鯨島に上陸、海の守り神、鯨島神社のお神酒
を供え、海運の隆盛を祈った。
 夜の帳が下り、辺り一面が暗闇につつまれると鯨島から御座船な
ど4隻が巡幸、太鼓、鉦、笛による「チャンギリ」「笙の笛」など
神楽の調べにのり、大鳥居前の海面を3回、円を描くように回る
"平安絵巻"。4隻の提灯船の競演で水面に明かりが揺らめく幻想的
シルエットに海岸の観光客は見とれていた。


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