山陽日日新聞ロゴ 2001年4月15日(日)
狂言や能 10回目の節目公演に
  5月12日に恒例尾道薪能を  
薪能の様子
 毎年5月の尾道の行事として定着、10回目の節目を迎えた「尾
道薪能」が5月12日(土)夜、東久保町、真言宗浄土寺境内の特
設能舞台で繰り広げられる(雨天時はしまなみ交流館)。
 尾道足利氏ゆかりの会と尾道薪能実行委員会の主催。午後6時に
開演、おめでたい曲で知られる仕舞「高砂」(吉田篤史)で始まり、
狂言「口真似」(くちまね)を茂山忠三郎さん、火入れ式の後、仕
舞「梅」を井上嘉久さん、メインの能「胡蝶」(こちょう)を重要
無形文化財能楽(総合指定)保持者の吉田潔司さんが演じる。
 狂言「口真似」は、酒の相手を連れてくるように主人から言われ
た太郎冠者が、知り合いの男を連れて来たが、この者は酒乱。主人
はそのことを知っていたので、丁重に帰って貰おうと工夫。主人の
言うとおりに行動するように命じられた太郎冠者は、主人の物まね
をすればよいと勘違い、一挙一動を真似してしまう。
 能「胡蝶」は、吉野の僧侶が京に上り、古宮の車寄せに咲く梅の
花を眺めていると、女が現れ、ここは光源氏が昔遊んだ場所だとい
う。自分は人間ではなく、梅が早春に咲くので縁がなく、それを悲
しく怨んで成仏できない胡蝶の精だと言い、僧の力で梅花に戯れさ
せてほしいと頼む。(中入りの後)古宮の者が現れ、旅の僧に乞わ
れるままに胡蝶の夢物語をして立ち去る。僧が花の木陰で寝ている
と、夢の中に胡蝶の精が出てきて、回向のおかげで梅花と遊べ、成
仏できたことを喜び、お礼の舞を見せる。
 開演前には、吉田氏らが「胡蝶」への誘いとして、舞台上でシテ
の着る唐織りの装束附を解説することになっている。
 前売り券は一般3000円、大学生1000円、高校生以下500円。
市教委、観光協会、しまなみ交流館情報コーナーなどで販売してい
る。


 

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