2000年9月8日(金) 尾道三品総合市場も 直木賞作家村松友視氏が執筆 「おいなりさん」謎ときも 小学館文庫「市場の朝ごはん」刊行 |
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『尾道という町は、私にとって一種あこがれの町だった。未知の土地 でありながら、そこに安らかで楽しいことが待っているような、そんな 期待が、新幹線で向かううち徐々にふくらんでいった。』−で尾道編が 始まる全国12の市場巡りを著した直木賞作家村松友視氏の「市場の 朝ごはん」がこのほど小学館(東京)の文庫シリーズで発刊された。 旅の達人としても知られる村松氏が10年前、平凡社の雑誌「太陽」 に1年間にわたり連載したものを加筆し、書き下ろしたもの。金沢近江 町市場の「百万石の釜炊きごはん」ではじまり、下関唐戸市場、小樽鱗 友市場・三角市場、新潟本町市場、青森駅前市場、富山県滑川漁港、釜 石橋上市場、このあと8章で尾道三品総合市場「尾道にさぐる"おいな りさん"の謎」が登場、つづいて境港市場、那覇牧志公設市場、八幡浜 魚市場、東京・築地卸売市場の「あとがきのような終章」で締め括って いる。全205頁。 尾道章では、尾道行きへのきっかけとなった名古屋のステーキ屋 「尾乃道」マスターとの出会い、志賀直哉の「暗夜行路」、林芙美子の 「放浪記」、大林宣彦監督作品など引用しての尾道紹介、そして三品市 場がある東尾道、おきの食堂での油揚げでくるんだ「いなり」を中心に したグルメ談義を400字原稿用紙にして21枚程度にまとめている。 尾道章の標題入り扉の写真は、小学館から依頼され山陽日日新聞社が提 供した市場近くの大一食堂の店内。 還暦を迎えた東京生れの村松氏がユーモアと哀切を交えながら市場で 働く人たちを温かい目でとらえ、情景を小気味よく描き、今はやりのト ラベル・グルメながら新しい食紀行文集として注目されている。 市内の書籍店にも近々入荷する。定価480円。 なお村松氏に応対した当時のおきの食堂店主の沖野さんは、一昨年9 月になくなられ、長女が店を引き継いでいる。 |
転載責任者メモ:早速読みました。村松さんらしいユーモアと温かさの伝わる楽しい本でした。
この本を読んでから、もう一度この記事の最後を読み返して下さい。「旅行記の
続き」を読んだようで胸がキューンとなります。
10年前に書かれたそうですが、、10年前はJR東尾道駅もありませんでした。
この10年で変わったことの多い尾道です。
とりあえず名古屋の「尾乃道」に行ってみたくなる方も多そう(^^;