2012年7月25日(水) 水軍時代からの歴史を秘める古社 小歌島厳島神社で管弦祭 昨年に続いて小歌島サポーター有志が協力 |
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向島の古い呼び名「歌島」に対して「小さな歌 島」の意と見られる向島の小歌島(おかじま)丘 陵には、水軍時代(中世)に祀られたとの縁起を 伝える小歌島厳島神社が鎮座する。 その名の通り、宮島さんからの勧請(分祀)に なり、海上往来を見守る厳島の女神と、併せて地 主神として宇賀神(稲荷神)を合わせ祀り、文献 では同社を「宇賀神社」と表記するものも確認さ れる。 向島の歴史にとっても重要なスポットの一つと いえるこの小歌島鎮座の厳島神社において、昨年 に続いて例祭「管弦祭」が執り行われた。 同社を兼務する富浜の厳島神社・児玉道隆宮司 によって祭典が進められ、地権者である豊田純爾 さんと、昨年に続き町内有志、小歌島サポーター の面々、かつての祭礼で御神体を迎えていた対岸 の東予町(現・東御所海岸界隈)から岡本晴見さ ん、初参加組では、障害者支援に取り組む「はな みずきの会」の荒井潤子さんとメンバーの方が参 列した。 祭典後は木陰に茣蓙を敷き、児玉宮司と参会者 全員で直会(なおらい)の一席を囲み、和やかに 歓談した。 小歌島厳島神社の管弦祭は「宮島祭」とも称さ れ、その昔は御神体を神輿に乗せ、尾道水道を渡 って対岸の東予町に設けられた御旅所へ安置、そ の一帯に夜店や野外映画も立つほどの賑わいが見 られたと、岡本さんのご両親や「尾道の記録」作 成者で元・尾道商議所事務局長の平櫛資正さん (故人)らが語り伝える。 祭は以後途絶えたままになっていたが、豊田さ んが発起し、小歌島サポーターの協力を得て、昨 年30数年ぶりに復活を果たした(昨年本紙で報道 済み)。 [林 良司] |