山陽日日新聞社ロゴ 2012年4月14日(土)
伝統的なオーストラリアの...!?
 トニーさんの前向きなミートパイ
店の2人
 手のひらサイズで思わず頬張りたくなるミート
パイ。土堂海岸通り、福本渡船乗り場から東へ数
十メートル、「ザ・フライング・パイマン」は手
づくりのミートパイ専門店。昨年6月に開店した
このお店、オーストラリア出身のトニー・スティ
ンソン(44)さんと奥さんの千由紀さんが夫婦二
人三脚で営んでいる。結婚も昨夏とあってお店同
様に熱々の新鮮さ。
 あれもしたい、これもしたい。詩の歌詞にも登
場しそうなトニーさん、個性を越えたポジティブ
な性格で、取材にも逆にグイグイと押し込んでく
る。秋田県などで高校の英語教師などを務める傍
ら映画監督になりたい夢も捨て切れず、マルチメ
ディア映画に欠くことのできない写真技術を学ぶ
ためパリに留学。その後再び来日し、つい先頃ま
で弓削商船で教鞭をとっていた。
 トニーさんが敬愛する映画「東京物語」と小津
安二郎監督、そして舞台となった尾道には相当な
思いがあるようで、映画を通じて訪れた人には何
もサインがない現状をことのほか憂えているのが
印象的。小さくとも何所かしら魅力的で観光客も
多く訪れるこの町を気に入り、海に近い同地に開
業した。
 伝統的なオーストラリアのミートパイ。店頭の
看板もなかなかユニーク!?オーストラリアでは日
常小腹が空いたときに欠かせないミートパイ。そ
れを食すことが出来ないならいっそ自分で作ろう
と母国に帰って専門店主に相談、試行錯誤を繰り
返し開店に漕ぎ着けた。
 パイ生地を作る根気のいる作業は、写真の趣味
を通じて出会った奥さん・千由紀さんが担当。ミ
ートオニオン、タイグリーンチキンカレー、メキ
シカンタコスなど聞いただけでお腹が鳴りそうな
パイは、表面はサクサクで中身はトロトロ。イギ
リスなどの庶民的なパイと違い、パサパサ感がな
いのがオーストラリアの特徴らしい。
 パイは、一個270〜290円で、4種類程度
店頭に並ぶ、金・土・日曜日の午前10時30分から
午後6時まで開店・営業。その他、写真の技術を
活かしたオリジナルのブックカバーやしおりも店
内に並んでいる。また、トニーさんはフォニック
スというネイティブな発音に徹底してこだわった
英会話教室も手掛けるなど、趣味本業の隔てない
多才ぶり。
 ネットなども活用すれば尾道でも充分ビジネス
として成り立ちます。将来は英語を普通に話せる
カフェを手掛け、パイの種類も増やしていきたい
とどこまでも前向き。
 「ブチうまいじやろ」と尾道弁も慣れたもの、
新婚夫婦の明るい笑顔で来店客をもてなしている。
パイは冷凍での持ち帰りも可能、英会話教室も含
め詳しくはザ・フライング・パイマン(土堂1丁
目12-12、080-2917-1930)まで。
                 [秋田完]

公式ホームページ



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