2011年3月23日(水) 小林伸一郎写真展 尾道を皮切りに35以上の島々をめぐる 第二章「島波 瀬戸内景」 さりげない日常風景を拾い上げる |
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この写真は同名写真集の表紙です (撮影:転載責任者 小野) |
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廃墟をテーマにした写真集で講談社出版文化賞 など受賞した小林伸一郎が尾道からはじまり瀬戸 内海を渡り歩き、撮影した写真展第二章「島波 瀬戸内景」が潮見町、なかた美術館で開かれてい る。5月8日まで。 小林伸一郎にとって20代で旅した瀬戸内は創作 活動の原点。2008年になかた美術館で開催された 第一章「海人 UMIHITO」に続く展覧会で、 第一章は1970年代に全国の島々や沿岸の人々を撮 影したモノクローム写真を発表しており、今回は 08年から3年かがりで瀬戸内海の広島、山口、岡 山、兵庫、愛媛、香川の6県の35以上の島々を巡 り、新たにに撮り下ろしたカラー作品約100点 を展示している。 小林が瀬戸内を訪れて30数年の歳月を経て再訪 の旅は尾道からスタート、「駅前渡船」、久保 「新開飲食店」、因島 浦町「法楽おどり」、瀬 戸田「サンセットビーチ」など風光明媚な観光地 や由緒ある寺社仏閣にレンズを向けるよりも、む しろ見過ごしてしまいそうな、さりげない日常風 景を大切にし、拾い上げている。 これほか35以上の島々と瀬戸内沿岸の海風を感 じさせる街と人々の生活、山や島の坂道や船上の 風景、船着き場や飲み屋街、運河や住宅地の風景 に佇むお年寄りや子ども、セーラー服の女子高校 生ら鮮やかな色彩で瀬戸内海の魅力をあますとこ ろなく、表現している。 小林は1956年、東京生まれ、専修大学在学中か ら写真の世界に入り広告、エディトリアルの撮影 をするかたわら、自らの表現を追い求め旅を続け、 91年、変貌する東京湾岸をを捉えた「Tokyo BaySide」を出版、また全国の廃墟をモチ ーフに朽ちていく美を個性的な色彩と精緻な描写 で多くの人を魅了した「廃墟遊技」、「廃墟漂流」、 「亡骸劇場」など写真集を立て続けに出版。94年 にコニカ写真奨励賞、97年に東京国際写真ビエン ナーレ・キヤノン賞、07年に講談社出版文化賞な どを受賞している。 近年は「シャネル銀座ビル」、「東京ディズニ ーシー」などピンポイントでビジュアル表現する 新しいクリエイティブな世界を開拓している。 観覧料は一般700円、大学生500円、中高 生400円。小学生以下は無料。月曜日が休館 (祝日の場合は翌日) |