2010年9月8日(水)
彫刻美術館
「ポーズとらされ、夏休み大嫌いだった」
 作品解説父勝三氏との思い出
  圓鍔元規さん親子特別展で語る




 御調町高尾、圓鍔勝三彫刻美術館で7日、今年
度の特別展「圓鍔勝三・圓鍔元規親子展」が始ま
った。初日は元規さんによるギャラリートークが
あり、自らの作品解説や父親との思い出話などを
披露した。12月19日まで。   [幾野伝]
 圓鍔勝三氏(1905〜2003年)は御調町出身で、
16歳から京都で修行、その後上京し日本美術学校
で学ぶ。日展審査員、評議員、常任理事、顧問な
どつとめ88年に文化勲章を受章、「愛と平和を願
う個性的な作品を制作した」。
 長男の元規さんは1937年、川崎市生まれ。東京
芸術大学を卒業し、日展審査員、評議員になり、
2008年には今回展示している「華」(樹脂)で日
展文部科学大臣賞を受賞している。
 初めてとなる親子展には、元規さんの作品22
点と同館が常設している勝三氏の作品54点を展
示。
 御調西小学校の6年生が見学参加するなか、エ
ントランスと展示室で元規さんが作品を巡りなが
ら、父親との思い出などを披露(写真上)。「父
は自分ではんこを作ったのが出発で、彫刻という
言葉も知らないうちに、ただ立体をやりたいと16
歳で京都へ出たようだ。当時は都会へ出て行くこ
とは、今の外国へ行くのと同じ感覚だったはず」
と語り、「私の場合は環境が大きかった。小さい
時から父のそぱで育ち、自然に彫刻の世界へ入っ
た。めちゃくちゃ好きでということではなく、ま
あやろうか、ぐらいの感じだった」と振り返った。
 日展で文部科学大臣賞を受賞した自作の「華」
については「私は右手が不自由ということもあっ
て、初めにモデルを360度写真を撮って、それ
を並べて制作する。この作品は粘土を200kgぐ
らい使った」と話し、「父の作品は、手に何かを
持たせたポーズが多いが、私には抵抗があった。
父と同じになるのが嫌で、この『華』にも花を持
たせなかった」と葛藤のエピソードを紹介した。
 「父は1000点を越える彫刻を残しているが、
私は身体が弱いこともあって80点ぱかりだろう
か」と話す元規さんは「意識して、作りたかった
作品」と73年作の「手を上げた女」(樹脂)、翌
年作の「ポーズする女」(同)の2点を挙げ、
「この時はまだ右手も不自由でなく、モデルさん
に4週間通ってもらって作った」と振り返った。
 勝三氏の作品が並ぶ屁示室では1948年作の
「二人」(木彫)=写真中=について、「男の子
と女の子、両方とも私がモデルになった。夏休み
が大嫌いで、みんな友達は外で遊んでいるのに、
私は毎日父にポーズをとらされていた、まるで8
時間労働だった」と懐かしんだ。
 「心に温かさと安らぎが感じられる」と来館者
に人気がある81年作の「北きつね物語」(木彫)
=写真下=では、「北海道に行った時、獣医から
傷ついた狐の話しを聞かされ、帰りの飛行機の中
ですぐにこの作品のスケッチを描いたようだ。木
の上に立つのが親狐で、右指で影絵の狐を表して
いる。下の子狐の1匹は独り立ちする姿、2匹で
遊んでいるのは明日は我が身ということを表現し
ている」と解説した。
 1993年に開館した同彫刻美術館には、圓鍔
氏から寄贈のあった1497点の作品が収蔵され
ており、うち851点が彫刻作品になっている。
 入館料は大人400円、高校生300円、中学
生以下と市内在住の70歳以上は無料。

圓鍔勝三彫刻美術館



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