2010年8月19日(木)
浄土寺など
 隔年開催旧暦奉納し伝統守る
  県指定無形民俗文化財
  「吉和太鼓踊り」縁地練る
手に太鼓を持った大勢の参加者
 室町幕府を開いた足利尊氏(1305〜58年)にゆ
かりのある広島県無形民俗文化財「吉和太鼓踊り」
(1965年10月指定)が18日、東久保町、真言宗浄
土寺(小林暢善住職)に奉納された。炎天下、古
刹での勇壮な歴史絵巻に、多くの参詣者や観光客
を魅了した。
 1336年、尊氏が九州に下る時に浄土寺観音に戦
勝を祈願。吉和の漁師達が船手として加わり戦功
があったことから、その恩賞として座船の型を用
いることが許されたのを喜んで陣太鼓とかんこを
組み合わせて踊り、鞆の浦まで送ったのが始まり
とされている。
 現在は吉和太鼓踊り保存会(会長=山本正直吉
和漁協組合長)が中心になって2年に1度、旧暦
の7月18日(現在の8月18日)の開催を守り、
社会の平穏を祈って住民が奉納、地域の伝統文化
を伝えている。
 揃いの青色の法被に手甲、脚絆、白いたすきで
身を固めた小・中学生から大人の踊り手が、午前
8時に地元の吉和西元町の射場から吉和胡子神社、
吉和漁協、バスで移動し商工会議所、市役所、尾
道漁協で演じた。
 浄土寺では旗印や御船の作り物を先頭に、「イ
ヤーハア、ハイヤーハアー」と勇ましい掛け声に
鉦、太鼓を打ち鳴らしながら、祭りの特徴とされ
る参道の石段を後ろ向きに登った(=写真)。国
宝の本堂と多宝塔の前で奉納した。
 午後は東尾道にあるゆかりの企業などを回り、
祇園橋から国道と旧国道の二手に分かれて踊りな
がら夕方、正徳浜、胡子神社、射場へと帰った。
                  [幾野伝]



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