2010年5月12日(水) 水尾町「水祭り」 7月末日若者中心に再び復活 細工人形昨年途切れ小路では2年ぶり |
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「水祭り」が水尾小路で二年ぶりに再復活−。 久保一丁目水尾町の「水祭り」が、7月31日(土) の夜、開かれることになった。これまで祭りを主 催してきた町内会の人口減や住民の高齢化から、 復活二十年を区切りに昨年、一度は途切れたが、 「伝統の祭りを後世に伝えたい−」と町内外の若 者が中心になって企画、新しい体制での再スター トとなる。 [幾野伝] 水祭りは、熊野権現社の例祭に合わせて江戸時 代後期から始まったとされ、第二次大戦が始まっ た1941(昭和16)年を最後に中止していたものを、 水尾町町内会が1989(平成元)年、47年ぶりに復 活させた。 呼び物の「水細工のからくり舞台」は毎年、住 民らが手作りして神社横の井戸「水尾井」や水尾 小路沿いに5、6場面を設置。尾道の歴史や社会 風刺をテーマに、人形の指先などから勢いよく水 が飛ばされ、その配水の仕組みがどう見ても分か らないことや、真夏の夜に清涼感を漂わせる風物 詩として毎年多くの市民が訪れ、人気の夏祭りと なっていた。 しかし町内会(12世帯)では、人口の減少や住 民の高齢化による祭りの担い手不足から一昨年、 2008(平成20)年の夏を最後に、町内会の主 催にピリオドを打ったもの。 途切れることになった昨年は、高校時代から祭 りに携わってきた町内の今川智弘さん(37)が、 中学時代の友人や同じく町内の三田隼人さんらと 新しい運営方法での祭りの継続を模索。以前から 協力してもらっていた町外の知り合いや、尾道大 学の学生らが協力し翌年の再スタートを目標に準 備、例年通り水尾井に「天の岩戸」の舞台を一つ 飾り、細い参道には提灯をさげて、ささやかな祭 りを演出して見せた(=写真)。 その時のメンバーにさらに若者達が加わり、20 人ほどで先日、「水尾町の水祭りを守る会」を結 成。会長には今川さんが就き、「水細工のからく りを他言しないこと−」など規約も決め、祭り開 催に向けて新たなスタートを切った。 今年は舞台を五つ用意する予定で、「八岐大蛇」 や「水尾町の江戸中期のようす」、「ゲゲゲの女 房」、「いろは丸」などで、メンバーがそれぞれ 分担して人形や衣装、背景画などを制作する。毎 週火曜日には会合を開きながら、人形の大きさや バランスなどを調整していくという。 二十数年前から水祭りの復活を願い、毎年中心 で支えてきた今川さんの父、吉弘さん(六五)は 「町内会による祭りは終わって残念だが、代わっ て縁もゆかりもない若い人達が集まって、新しい 祭りを始めてくれることは有難いです」と再復活 を喜ぶ。 町内以外の人が本格的に加わるのは今年が実質 的に初めてとなり、「続けていくためには資金面 の課題はあるが、若者が祭りを創り上げようとし ている姿をぜひ見てほしい。祭りの雰囲気だけは 大切にしようと話している。応援と批評を宜しく お願いします」と智弘さん。 当日は、神事を町内会の行事として営み、その 後祭りを始める。特製のくずきりやかき氷の屋台 も通りに出し、オリジナルの和菓子や記念のデザ イン小物なども作って販売することにしている。 水尾町を含む久保一丁目は23年前の1987(昭 和六二)年には、287世帯の人口745人だっ たが、現在は218世帯の421人と大きく減少 している。 |