2010年3月20日(土)
三浦友和さん
「大林さん、次の映画は まあだ会」(2)
 百恵夫人とグリコCM
  他の現場と違う雰囲気
  『とても幸せな時代でした』
挨拶する三浦さん 写真は極端に縮小してあります
 (続報)尾道映画《おかしなふたり》や《なご
り雪》など、大林宣彦監督作品の常連俳優、三浦
友和さん(=写真)は、妻で国民的な人気歌手だ
った「山口百恵」さんとのエピソードに触れなが
ら、「とても幸せな時代でした−」と述懐。比較
する形で、現在、ただ多産されているだけの日本
映画界(テレビ)のあり方に苦言を呈した。
                  [幾野伝]

 私の唯一の自慢は、大林監督とのお付き合いが
一番長い俳優だということです。35、6年になると
思います。監督は30代の後半だったということ
で、不思議な感じがしますし、感慨深い。今の時
代、30代後半であれだけの懐の深さ、大きさを
持っている監督が果たしているのだろうかと思う
と、ちょっと疑問です。
 大林監督との一番最初の出合いは、グリコの
「ポッキー」のテレビコマーシャルでした。私の
妻(山口百恵)と結婚するまでの約6年間ぐらい、
監督と私達2人は映画(ふりむけば愛)も、テレ
ビも、一緒に作りました。
 グリコチョコレートのコマーシャルの撮影は、
年に数回づつあったので、お正月は毎年ハワイ
(ロケ)で過ごさせて頂いたことを思い出します
し、今も監督夫妻との家族付き合いが続いていま
す。
 今日出掛ける時に妻が、「大林監督に、『(あ
の頃は)とても幸せな時代でした』と伝えてほし
い」と申しておりました。その「幸せな時代」と
は、どういうことかと言いますと、こういう俳優
という仕事をしていると、もちろん色んな監督に
出合いますが、大林監督には「大林ワールド」と
いうのがありまして、コマーシャルの時も映画の
時も、撮影現場に行くと何か特別な雰囲気があり
ます。
 現場で一番肝心なことは、ぼくら俳優が演技し
やすい環境を作って下さることだと思います。真
冬に真夏のシーンを撮るようなことがあります。
我々はもちろん夏服を着て寒い中を演技するわけ
ですが、大林監督はそういう時には自らタンクト
ップになって、「俳優と同じ状況でないといけな
いよね、そうしないと気持ちが分からないよね」
とおっしやる。
 俳優が一番やり易い環境にして下さることは、
たぶん映画の演出ということでは一番大切なこと
だと思います。
 最近は、昔は無かったモニターというものがあ
って、(生身の俳優を自分の目で見ることなく)
遠く離れた所でそれにかじり付いている監督がい
っぱいいます。そこから「ヨーイ、スタート」と
大きな声を掛けるだけで、現場にほとんど来ない
という監督がたくさんいます。大林監督には、そ
ういう監督を教育する監督になって頂きたい気持
ち。
 我々にとって一番良い環境を作って下さる代表
が大林監督です。
 監督はまだ70代の頭、私の父は83歳でまだ
めちゃめちゃ元気ですから、これからも10年、20
年と健康に留意されて、たくさん良い作品を作っ
て頂き、私もそれに参加出来ることを望んでいま
す。



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