2010年3月18日(木)
大林宣彦監督
 「信じた道を真っ直ぐ」
  受章祝う『次の映画は、まあだ会』600人
映写機を手に挨拶する大林監督
大林監督、平田オリザさん、高橋幸宏さん、ミッキー・カーチスさん
 尾道出身の映画作家、大林宣彦監督の旭日小綬
章の受章を祝う「大林さん、次の映画はまあだ会」
が16日夜、東京・新宿の京王プラザホテルで開か
れた。親しい友人ら600人が集まり、半世紀を
超える夫唱婦随の「映画人生」を称え、更なる活
躍に期待を寄せた。        [幾野伝]

 政治・行政色を抜いた祝う会には、俳優の秋吉
久美子さんや三浦友和さん、長門裕之さん、ミッ
キー・カーチスさん、作家で発起人の赤川次郎さ
ん、椎名誠さん、ミュージシャンの高橋幸宏さん、
伊勢正三さん、劇作家の平田オリザさん(=写真
下)、映画監督の高畑勲さん、崔洋一さん、山本
晋也さん、話題作『剱岳 点の記』の木村大作さ
んらが出席し、お祝いと激励のあいさつをした。
 古里尾道からは同級生の宇根本忠信さんと伊藤
敬彦さん、尾道大学日本文学科の光原百合准教授
と美術学科の田村禎英講師、尾道火林宣彦映画ア
カデミーの村上禎さん、大谷治さん、吉田多美重
さんらが参加。在京の出身者による尾道サポータ
ーの会から日谷潔さん、小説家の森岡久元さんら
が顔を見せた。
 平谷祐宏市長など、名くの関係者から贈られた
鮮やかな生花が、会場ロビーを埋め尽くした。
 南原清隆さんと勝野雅奈恵さんが司会進行。開
式ではスクリーンで、これまでのフィルモ・グラ
フィーがダイジェストで上映され、監督は「三歳
の時に尾道・土堂の生家で出合い、いたずら遊び
したのが始まり−」と紹介する映写機を手に(=
写真上)、冒頭と終盤で大要次のように語った。
 夢のよう、今日は私の人生の中で最も幸せな一
日です。
 七二歳の今日までこの映写機で遊んでいます。
十八歳で尾道を出る時、「ジョンウェインの映画
を撮る−」と夢みたいなことを言い、父親から8
ミリの小さなキャメラを譲ってもらい、東京に出
て来て、心の思いの丈をフィルムにしながらここ
まで生かさせてもらっています。
 戦争が終わって父が、「自分が信じる道を真っ
直ぐ歩けることが平和なんだ。お前が映画をやり
たいと言うのならやってご覧。孤独な道かも知れ
ないが、誰かがきっと何処かで見ていてくれるぞ」
と励ましてくれました。こうして大勢の皆さん方、
全国の映画ファンが私のことを見ていて下さった。
 皆さん方のお一人が欠けても、私の人生はこの
ようにはなっていないはず。「映画と友情」に感
謝します。
 こんな幸せな時があって良いのだろうか?バチ
が当たらないためにも、これからもなお一所懸命
に良い映画を作りたい。映画にはまだまだ可能性
がいっぱいあります。長生きして、映画の可能性
を一コマーコマ、掘り起こしていきたい。
(出席者のあいさつなどは後日紹介します)。



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