2010年1月10日(日)
朝ドラ『てっぱん』
制作統括の海辺潔プロデューサー
 舞台設定やっぱり尾道でした
  「大好きな大林宣彦監督の映画」
 今年9月からの朝の連続テレビ小説で、尾道と
大阪を舞台にした『てっばん』を制作すると発表
したNHK大阪放送局の海辺潔チーフープロデュ
ーサー(45)が8日午後、市役所の平谷祐宏市長
を表敬訪問し、撮影の協力を申し入れた。「大林
宣彦監督の映画が大好き−」という海辺さんは、
脚本家とともにロケ地の選定で瀬戸内の様々な町
を歩いたが、「やっぱり尾道が魅力的でした」と
その思いを語った。        [幾野伝]
 ドラマを制作統括する海辺潔チーフープロデュ
ーサーによると、舞台を尾道に決定するまでには、
紆余曲折があったもよう。
 「瀬戸内の文化がある町―」とだけ決めて、尾
道を皮切りに何か所もの候補地を歩いたという。
そして結局帰り着いたのが尾道だった。「一時は
呉に決めかけたこともありましたが、やっぱり尾
道が魅力的でした」と語るように、この町への強
い思い入れがあった。
 入局した初任地が広島放送局で、情報番組を担
当して因島など瀬戸内の島々をよく訪れたという
海辺さんは、さらに尾道出身の大林宣彦監督の映
画が大好きだと明かす。「私は新三部作よりも旧
三部作、特に『転校生』が大好きです。大林映画
の良い所を頂きながら、まだ監督が撮っていない
所にも挑戦したい」と意欲を見せる。
 昨年夏からは、ストーリーを担当する寺田敏雄
さんらと繰り返し尾道を訪れ、『隠密』で取材を
重ねてきた。「朝ドラだと分かると、(町が先行
して賑やかになり)マズいので、毎回のことです
が前取材にはとても苦労しています。それで尾道
市への連絡も発表当日となり、失礼しました」と
説明した。
 初対面した平谷祐宏市長は「お好み焼きもさる
ことながら造船が盛んな尾道で、鉄板をキーワー
ドに町づくりをやりたいと考えていた矢先の嬉し
いニュースでまさに以心伝心」と喜び、「撮影に
は全面的に協力、応援をしたい」と答えた。
 さらに、「大阪の北新地で、尾道出身の村上さ
んという若者が『尾道焼き』の店を開いているが、
ドラマのヒロインの名前も『村上あかり』。高校
のブラスバンド部員の設定だが、尾道は今、音楽
のある町づくりを進めており、あまりの偶然に驚
いている。尾道と大阪は北前船で古くから付き合
いがあり、食を通じて繋がるのは有難い」と今後
の展開に期待を寄せた。
 海辺さんは「大阪と尾道、お互いの文化の良さ
を上手く引き出し合いたい。地元高校のブラスバ
ンド部に協力頂くことにもなるのでは」と話した。
また、尾道市がサイクリング文化に力を入れてい
ることを聞き、「主人公は、尾道の町や坂をいつ
も自転車で走ることにしています」とも明かした。
 今後はヒロインのオーディションなどと平行に
て、来月から撮影場所を決めていくロケーション・
ハンティング(下見)を本格化。5月の中・下旬
に7〜10日間ほどの尾道ロケで撮影をスタートさ
せる予定。さらに進行具合と予算、時間を見なが
ら秋にもう一度尾道ロケが出来るかどうかを決め
ることになるという。
 平谷市長は最後に、「川来たら自然美が美しい
島々の方にも目を向けて頂ければ」と要望してい
た。



ニュース・メニューへ戻る