2009年9月17日(木)
原田町梶山田
 三体同時獅子舞や鉦太鼓踊り
  榲原八幡宮の例祭で交流活発に
踊る子供たち
神社入り口
 原田町梶山田、榲原(すぎはら)八幡宮の秋季
例祭が、今年は前夜祭が十月三十一日(土)の夜、
本祭が翌十一月一日(日)に営まれる。地元原田
中学校(木村好江校長)の生徒有志も鉦太鼓踊り
で祭りに参加する。
 榲原八幡宮(=写真下)は平安時代の創建とさ
れる。鎌倉幕府の備後国の守護職、平光平はその
地、榲原郷の地頭として「木梨」に本拠を構えた。
平光平の子孫に杉原信平・為平兄弟がおり、兄弟
は足利尊氏に従って九州での戦いに貢献し恩賞と
して、現在も城址が大切にされている木ノ庄東の
「鷲尾城」を築いている。
 前夜祭は午後七時から、他では見られないと言
う三体による同時の獅子舞があり、氏子衆に続い
て原田中、高校生の有志による鉦太鼓踊りが奉納
される。神社総代があいさつし炭坑節、尾道三下
がりの手踊りが披露される。
 鉦太鼓踊りは、鷲尾城の完成を祝って始まった
とされ、木梨庄や太田庄など広い地域で伝わって
いる。
 以前の前夜祭は、古くから神楽を奉納していた
が、時代の流れで内容が変化、いつの頃からか梶
山田地区の五つの町内会の持ち回り当番制で行わ
れるようになり、数年間はカラオケ大会が主流に
なった時期もあったが、伝統文化の再認識で七年
前から鉦太鼓踊りが奉納されるようになった。
 四年前からは保護者の呼び掛けで原田中学校の
生徒に地域伝統芸能の伝承活動が始まり、三年生
を中心にした生徒有志が毎年七月、地区をあげて
の催しになっている特別養護老人ホームひかり苑
の夏祭りと合わせて秋の祭りにも参加している
(=写真上で学校の提供。昨年の夏祭りのようす)。
 三体の神輿は前夜祭の終了後、その年の御当
(おうとう)がそれぞれ家に迎えて神饌を共にす
る。当日は正午に御当を出発し各町内で一神輿は
やし歌」を唱いながら練り歩き、三体が揃って境
内に帰着し三体廻しを行う。梶山田地区には二十
七の御当株がある。
 「若い世代には踊りを知らない人が増え、地域
の伝統芸能の伝承が怪しくなっていた。そのよう
な時期に、例祭で鉦太鼓踊りが行われるようにな
ったことで、伝承と町民同士のコミュニケーショ
ンが活発になっている」と世話役の佐藤忠美さん
はみている。            [幾野伝]



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