2009年5月17日(日)
尾道商業会議所記念館3周年企画展
 渡船のある風景
  艶やかなる"花街尾道"を併設
 尾道商業会議所記念館で現在開催中の開館3周
年記念企画展【港まち尾道】の第2展示として、
【渡船のある風景】×【花街尾道】が、尾道市
(所管・産業部商工課)と尾道学研究会(天野安
治会長)の共催で、広場を挟み隣接するおのみち
街かど文化館で始まった(31日迄)。
 地元的には市民生活の一部として、旅人的には
尾道らしい風景として親しまれている渡船−。そ
の長い歴史を振り返ると共に、今一度我々の身近
にある″渡船のある風景″に目を向けてもらおう
という趣旨で、単に情緒的な目線だけでなく、厳
しい現実に晒されている渡船の現状にも目を向け
て欲しいとしている。
 尾道最古の渡しである兼吉渡し(尾道渡船、旧
公営渡船)、それに次いで古い歴史を持つ小浦渡
し(福本渡船)、東航路を担う桑田渡しの現役3
渡船会社の全面協力により、これまで表に出る事
のなかった渡船の歴史的史資料が、本展で掘り起
こされている。
 尾道渡船からは、今とは全く違う船体形式であ
った兼吉渡しの古写真、一般には目に触れる事の
ないフェリーの設計図、そして船長さん手作りに
よる新型の「にゅうしまなみ」の模型が出品され
ている。
 福本渡船からは、御調郡役所が出した文書を始
め、明治後期から大正、昭和初期にかけての渡船
に関する貴重な記録資料(渡船の古文書)が豊富
に出品され、なかでも発着岸地点変更書類に添付
された絵図(航路図)は保存状態がよく、明治・
大正期のものながら、今も鮮やかな色彩を放って
いる。
 明治22年3月の『栗向社渡船営業條約書』(福
本渡船蔵)は、小浦渡しの開業時の記録であり、
栗原村の4名と向島西村の福本光蔵氏と5名の発
起人によって始まった事が窺い知れ、栗原と向島
それぞれの頭文字を冠した会社名も興味深いもの
があり、尾道の渡船史を知る上で一級の資料であ
る。これを尾道学研究会古文書担当の半田堅二さ
んが、現代語訳に分かりやすく解読している。
 また、資料には当時の渡し賃(運賃)も記載され
ており、【人(大小人共)五厘、牛馬四銭(口取
人は無賃)、車(大八車の類)四銭」とある他、
軍部や警察・消防、郵便配達人、通学の児童など
は【無賃トス】とある。
 その他古写真では、尾道学研究会会員・土本寿
美さん撮影の公営渡船開通時の記録写真も貴重
(旧役場や会社にも残っていない)で、開通を祝っ
て多くの人が詰めかけ、乗降している光景を見る
と、いかに渡船が市民生活(とりわけ向島町民)に
とって大事なものであったかが偲ばれる。
 会場一角のスポット・コーナーでは、その名も
「花街尾道」と題して、港まち尾道の賑わいが必
然及んだ新地新開、とりわけ今回は″遊郭″にス
ポットを当て、ありし日を偲んでいる。
 大正初期の『尾道案内』に載る芸妓・遊女の写
真、遊郭の建物遺構を今によく伝えている新開の
「村一番」提供からは、備後尾道が上位に名を連
ねる明治期の「全国遊郭一覧」(番付表的な体裁)、
県警が所轄署別に集計した統計資料などが並ぶ。
 また、尾道の商家で売られていた、「遊女御用
達の簪(かんざし)と櫛」一式も目を惹いている
(市立美術館蔵)。
 その他、尾道学研究会が発足第1回目に採り上
げた「幻の尾道囃子」を関連で紹介し、比婆の里・
西城町で今も伝承されているそのお囃子の音源を
会場で流している。
 映像コーナーでは、船長さんの目線で見た尾道
水道往来と銘打ち、尾道渡船と福本渡船の船長室
上のデッキから眺めた、尾道と向島を行き交う風
景を上映している。
 今回の企画展には見所が多く、ミュージアム・
オリジナルグッズとして、【渡船のペーパークラ
フト】が企画展限定で制作されている。
 尾道渡船の「第一しまなみ」と、福本渡船の
「小浦丸」が一枚のシートに刷り込まれ、組み立
てると手のひらサイズの可愛らしい渡船が出来上
がる。販売価格は税込500円で、尾道渡船又は
福本渡船の何れかで利用出来る往復渡し券(利用
は会期中)とセットになっており、是非この機会
に渡船へ乗って、のんびりとした「渡船のある風
景」を堪能して欲しいとしている。
 開館時間は10時〜18時で入館無料、木曜休館。

おのみち街かど文化館はこちらの「お」


5月22日 転載責任者撮影
おのみち街かど文化館



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