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2009年1月9日(金) 伝統の味守る 長年のヒット商品「みつきせんべい」 千客万来御調名物の「どら焼」 脚光を浴びる手作り近藤菓子店 |
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昔ながらの伝統の風味を生かし、1個1個手焼 きで製造している御調町神、近藤菓子店の「どら 焼」が人気を呼び、遠く広島や岡山から買いに訪 れるリピーターが増えている。主人の近藤治司さ ん(53)は「1日に作る数が限定されますが皆さ んに喜んでいただけて嬉しいです」と黙々と菓子 作りに精を出している。作った「どら焼」は毎日、 完売している。 御調町の名物になった「どら焼」は25年前から 作り始め、町内の会合や法事の引き出物に使われ 地元で重宝がられてきた。平成14年、道の駅、合 併後の18年、温泉ふれあいの里ができ、観光土産 として両施設で毎日100個から130個を販売、 瞬く間に売り切れている。昔風味の「どら焼」フ ァンが増え、遠く広島市や岡山市から直接、近藤 菓子店を訪れ、買っていく人が増えている。 材料にこだわり、あずきは北海道産、砂糖は上 白ではなく白ざらを使い、蜂蜜、味醂を加え下地 を作る。防腐剤も入れず賞味期限は6日と短いが 健康志向と相侯って人気が高まった。 近藤さんは「これといった特別なことはしてい ません。昔ながらの伝統を守った作り方で1つひ とつ丁寧に焼いています」と手作りにこだわって いる。 「どら焼」とともに長年にわたるヒット商品で 近藤菓子店を支えてきたのが「みつきせんべい」 で7か村が合併し御調町が誕生した昭和30年に製 造を始め、54年もの伝統を誇っている。「どら焼」 とおなじで昔風味の味わいとサクサク感がお年寄 りのみならず若者にも受けている。 近藤菓子店は亡くなった父、昇さんが独立し開 業。近藤さんは御調高校卒業後、はまだんな製菓 や神辺の佐藤製菓で和菓子作りを習い、20代半ば で店を継いだ。母親のアヤ子さん(81)と2人で 菓子作りに専念している。 朝5時に起き、「どら焼」の仕込みをおこない 製造、道の駅やふれあいの里が開店する午前10時 に納入、それから「みつきせんべい」と「ピーナ ッツ入り小丸せんべい」を作り出し、仕事を終え るのは夜7時で1日14時間労働。ほとんどが50年 前から使っている手動手焼き機の前に座っている。 「焼くのは1人で一日の量は限られています。 下からガスで焼き、夏場の暑さはこたえますが今 では慣れました。みなさんに美味しいと喜んでい ただけると嬉しいです。伝統の味を守っていくの が私の使命だと思っています」と謙虚に語ってい た。 [写真上は昔ながらの手動手焼き機で煎餅を作 る近藤さん。下は御調名物のどら焼きとみつきせ んべい】。 |