2008年10月22日(水)
しまなみ人の風景
 沿線の達人9人紹介を
  和船の船大工渡邊忠一さん
  高橋逸爾さんや林原透さんら
本を手に森本りゅうさん
 しまなみ海道沿いの大三島出身の森本りゅうさ
んが『しまなみ人の風景』をアスコン(福山市)
発行のWINKBOOKSから上梓した(=写真
は本人の提供)。A5判96ページ、定価1200円。
 1961年生まれの森本さんは、関西版ぴあ編集部、
朝日新聞社京都支社、今治のシティライフ編集部
に勤務後、1996年に渡英。ロンドンの出版社に勤
め、英国バージン航空の機内誌、小学館発行の
「サライ」では白洲次郎特集の留学時代の項を担
当するなど、執筆活動している。現在もロンドン
在。
 新刊本は単なるガイドプックではなく、瀬戸内
に独自のライフスタイルやオリジナリティを持っ
た達人にスポットを当て、その思想や生きる姿を
通じてしまなみ海道地域の人間的な魅力、気質に
迫ろうという内容。
 軍人から一転し反戦を掲げるジャーナリストと
して全うした水野広徳(大島で他界)の精神に学
びたいとして、残した句「世にこぴず人におもね
らず我はわが正しと思う道を途まむ」が基本的な
テーマになっている。
 達人の風景では9人をピックアップし取材。小
田浩成さん(青山石工房代表)「命とは役に立っ
てこそ輝く」▽尾道市、高橋逸爾さん(アウトド
アープランナー)「しまなみ野遊人」▽生口島・
岡田善清さん(広島県猟友会指導員)「無茶しす
ぎてちょうどいい」▽向島、林原透さん(向島洋
らんセンター所長)「いいつながり」▽伯方島・
渡遵忠一さん(船大工)「一生現役」▽大三島・
織田伴一さん(初代民生委員)「清廉潔白」▽因
島、村上幹郎さん(本因坊秀策研究者・作家)
「先駆者は時代の扉をたたく」▽大三島、佐藤哲
也さん(和菓子職人)「地道の強み」▽今治市、
宮本忠男さん(洋酒喫茶碧空オーナー)「世界を
視野に」。
 尾道水道など今もある「ミニ航路」を紹介、大
島と今治を結ぶ協和汽船の村上友則社長が、昭和
30年代の渡海船の活気があった風景を振り返って
いる。
 「大好きな古里・瀬戸内に住む人々の魅力とス
ピリットを形にして残したかった念願の著」と森
本さんは記している。
                  [幾野伝]



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