2008年8月5日(火)
岩子島厳島神社「管弦祭」
 幻想的な「平安絵巻」
  提灯がゆらめき優雅な調べ
海を渡る管絃船
 向島町岩子島、厳島神社「管弦祭」が3日夜催
され、海水浴場沖合で御座船、伴走船の提灯がゆ
らめき、幽玄な雅楽の調べが響き、幻想的な平安
絵巻が繰り広げられた。
 岩子島民俗伝統保存会(三阪博幸会長)主催の祭
りで復活して13年目、町内外から1000人近い観客
が訪れた。
 永山宗忠宮司が管弦船の巡幸の安全祈願をおこ
なったあと午後7時、西の筆掛山の山の端に夕陽
が沈みかけると松明を炊いた、さいとう木船を先
頭に御神体の天秤を安置し大提灯を飾りつけた御
座船、そのあとに伴走船2隻が真っ赤な大鳥居前
から出発、塩釜神社沖合の尾道水道をゆっくり旋
回した。
 岡本英明大組長らが鯨島に上陸、海の守り神
「鯨島神社」に御神酒を供え、海運の隆盛を祈っ
た。
 夜の帳が降り暗闇につつまれると鯨島から岩子
島海水浴場に御座船など4隻が戻り鉦、太鼓、笛
による「チャンギリ」、「笙の笛」の雅楽の調べ
にのり大鳥居の前の海面を旋回。4隻の提灯船が
海上でゆらめく幻想的シルエットは平安絵巻を想
わせ、観衆を魅了した。
 大鳥居前に御座船が着くと永山宮司が出迎えの
神事を執り行い、御神体の天秤を陸に上げ、リズ
ミカルな天秤太鼓にあおられながら伝統保存会や
子ども会のメンバーが四方の縄を引っ張り天秤を
動かし厳島神社社殿を回り奉納した。
 天秤は再び御座船に乗せられ管弦の調べにのり、
ゆったりと海上を回った。
 岩子島厳島神社は安芸の宮島に次ぎ古社だと伝
えられ、江戸時代寛永9年(1632)に再建された
記録が残っている。祭りも宮島の管弦祭の流れを
くんでいる。

場所はこちらの「い」
(いわしじま いつくしまじんじゃ)



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