2008年7月5日(土)
寿司やすもと
「地穴子」のいなりや巻き寿司
 吉和産で漁師町の味を
  3代目正徳町から中商店街に店出す
店の前で店主
 地元吉和漁港で揚がった魚を使って−。仕出し
と寿司の正徳町、やすもと(安本皇社長)が5日、
本通りの中商店街(土堂1丁目)にテイクアウト
店をオープンさせる。「祖父の代から43年、3代
続く吉和の味を皆様に−」と意気込んでいる。
                 [幾野伝]

 やすもとは1965(昭和40)年1月、現社長の安
本皇(こう)さん(30)の祖父にあたる安本房吉
さんが寿司製造業を始め、今年で創業43年になる。
 長男の皇さんは尾道東高校から大阪の大学を卒
業後、尾道に帰ってきて父憲光さんの手伝いをし
ていたが、3年ほど経った2年前に、54歳だった
憲光さんが病気で他界したこともあり、大阪から
連れ戻った妻の真紀さん(25)と共に後を引き継
いだ。
 これまでは冠婚葬祭などの仕出しとスーパーマ
ーケット、コンピニエンスストア向けの寿司や弁
当の製造だけだったが、「吉和の味をより多くの
方に知ってもらいたい」と、商店街への出店を決
めたもの。
 店舗での販売は初めてとなるが、「私にとって
は高校生の時に毎日、自転車で通った馴染みの商
店街。吉和から見れば、やはり本通り商店街は憧
れの『町』です。妻も商店街が大好きなので、頑
張ってみることにしました」と安本さん。10年ほ
ど前から空いていた店舗(15平方m)を借りて、
和風に全面改修した。
 地産地消を心掛けた店舗限定のメニューが並ぶ。
地穴子入りの「巻き寿司」(1050円)▽地穴子入
りの「尾道いなり」(189円)▽今でも吉和地
区では冠婚葬祭で食べられている「吉和のバラ寿
司」(680円)▽母親のルーツでもある尾道駅
裏の「万寿太郎の釜めし」などの他に、おにぎり
(105円〜147円)や季節、水揚げ量に応じ
た旬の惣菜なども置く。店舗に並ぶ寿司のそぽろ
は、全て手作りとなる。
 「吉和漁港に揚がった魚を直接仕入れ、手間と
時間を掛けても漁師町の昔ながらの味をそのまま
再現したい」と意気込む安本さん。
 営業は午前9時から夕方5時までで、木曜日が
休み。
 商店街の役員の1人は、「元気な若い人が入っ
て来て店を出すことを歓迎するし、応援もしたい」
と話している。
(=写真は備前焼作家、佐藤苔助さんの筆による
表看板の下で、安本さん)。

尾道駅から国道2号線を東に進むと右に
アーケードのある商店街の入口があります。



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