![]() |
2007年11月17日(土) 鞆世界遺産の会 「湾全体を伝建地区に」 港町ゆえに街並みと海は一体で |
|
![]() |
||
鞆の世界遺産実現と活力あるまちづくりをめざ す住民の会(鈴木晋三代表)は、鞆の浦の「国重 要伝統的建造物群保存地区」(重伝建地区)指定 への手続きで現在、「都市計画決定」の縦覧を行 っている福山市に対して14日、「鞆の海と町並み は一体。指定範囲を町並みだけでなく、海岸一帯 から船番所や波止など海域も含めるべきだ」との 次のような意見書を提出した。市は町の中心部約 8.6haのみでの伝建指定を目指す一方、湾内の 埋立て架橋計画を進めている。 「幾野伝」 私たちは、鞆の伝統的建造物群保存地区の都市 計画決定には、賛成します。しかし現在の保存地 区では、国の重要伝統的建造物群保存地区の選定 が受けられないと考えられます。将来的に世界遺 産の登録ができるように、文化財保護法が定める 本来の伝建地区の範囲に広げた地区指定をするよ う、要望します。 9月27日夕方に鞆公民館で行われた都市計画説 明会で、この地区の範囲で文化庁の選定を前提と した「鞆町伝統的建造物群保存地区」(伝建地区) の都市計画決定をする、と聞きました。 港町である鞆の浦は、古い町並みは山裾から海 にかけての地形の上に形成されました。鞆の後山 や鞆港、目前に広がる瀬戸内海、町並みは一体の 歴史的風致を構成しています。また江戸時代の朝 鮮通信使も対潮楼からの景色を「日東第一景勝」 と誉めていることは有名です。 私ども地域の住民は、伝統的建造物群保存地区 としての都市計画決定にあたっては、町並みと一 体をなす歴史的風致を含んで、「北は重要文化財 の安国寺から西は太子殿あたりの寺町と山麓まで。 また東側の海岸一帯から南は鞆の浦の海面を含ん で船番所の波止や淀姫神社の波止まで」を地区の 範囲とするよう、ここに切に要望します。 文化庁は平成17年京都府伊根町伊根地区(約 310・2ヘクタール)の重要伝統的建造物群保 存地区の選定などで、集落が面する海湾全体を、 建造物群と一体をなす周囲の環境として保存地区 に含めて指定しています。この前例にならい、同 じく歴史的な港湾都市である鞆の浦の伝統的建造 物群保存地区の指定においても、湾全体を保存地 区に含めることが可能であり、それはまた港町と して必要不可欠であると思います。 文化財保護法の定義では「伝統的建造物群」は、 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成して いる伝統的な建造物群で価値の高いもの、「伝統 的建造物群保存地区」は、伝統的建造物群及びこ れと一体をなしてその価値を形成している環境を 保存するため、市町村が定める地区とされていま す。 伝統的建造物群は、1972年にユネスコ総会が採 択した世界遺産条約に合わせて、1975年に文化財 保護法を改正して創設した、国際的な基準に合致 した新しい文化財分野と聞いています。 福山市においては、法の趣旨に合致しない狭い 伝建地区の範囲案で、都市計画上の手続きを強行 しないよう、お願いします。 |