2007年11月7日(水)
作品結ぶ2つの町尾道《転校生》を
 大林宣彦監督デー 初日の17日特集
 NAGANO映画祭で
ポスター
 大林宣彦監督の映画《転校生》を通じて、市民
レベルでの「尾道研究」が信州・長野市で始まっ
ている。17、18日に同市で開かれる第4回「みす
ずかるしなのNAGANO映画祭」では初日、大
林作品が特集上映され、25年前の尾道《転校生》
と今年公開された《転校生さよならあなた》が並
べて上映される。         [幾野伝]

 「尾道研究」に取り組んでいるのは長野郷土史
研究会(会員1800人)の青年部で、歴史研究家の
小林竜太郎部長が今年夏、尾道を初めて訪問(本
紙9月27日付けで紹介)。その後、「映画のまち
尾道で見つけた長野」のテーマでイベントを開き、
尾道で撮影した写真を映しながら、2本の《転校
生》の舞台になった尾道と長野の共通点や文化的
な繋がりなどを解説した。
 さらに両市とも坂道や小路が多いことなどにも
着目し、「(尾道のように)若い世代で小路に注
目した事業を展開し、隠れた魅力を発掘していこ
う」と提案したという。
 「家族」をテーマにした今年のNAGANO映
画祭は初日、「お帰りなさい、監督。」のキャッ
チフレーズで大林監督特集となる。映画館長野ロ
キシーを会場に、新作の大分映両《22才の別れ》
で始まり、セレモニーを挟んで長野映画《転校生
さよならあなた》、落語家立川志らく師匠のシネ
マ落語「天国から来たチャンピオンに捧ぐ」、さ
らに尾道映画《転校生》、大分映画《なごり雪》
の順で上映される。善光寺界隈の小路などを歩く
《転校生》のロケ地巡りツアーも企画されている。
 《転校生さよならあなた》は、同映画祭実行委
員会のメンバーが、「50年後の子供達に見せてや
りたい映画を作ってほしいー」と第1回目のゲス
トだった大林監督に直接懇願したことがきっかけ
になって実現した経緯があり、作品にとっても
「里帰り」となる。
 2日目はジュゼッペ・トルナトーレ監督のイタ
リア映画《ニュー・シネマ・パラダイス》などが
上映される。
 尾道では7月、しまなみ交流館で新旧《転校生》
を上映、長野からの参加者もあった。



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