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2007年7月15日(日) 半世紀ぶり涅槃図など 歴史博物館で「常称寺」特別展を |
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久保一丁目、おのみち歴史博物館で14日から、 西久保町の時宗常称寺(川崎誠住職)の文化財展 覧会が始まった。9月2日まで。 昨年度から始まった特別展「知られざる尾道仏 教美術」の浄土寺と西國寺に続く第3弾。 常称寺は時宗第二世他阿真教上人の開基で、足 利尊氏が1340(暦応3)年、七堂伽藍を建立した が、12年後に本堂を残して焼失、翌年に総門や客 殿が再建されたと伝えられている、瀬戸内地方を 代表する時宗寺院。 現在、国重要文化財の「絵本白描遊行上人絵」 や県重文の本堂、大門、観音堂など多くの指定文 化財があるが、今回はこれまであまり目にする機 会がなかった未指定の文化財を中心に紹介してい る。 一遍上人によるものと伝えられている「南無阿 弥陀仏」の名号軸(縦87cm)をはじめ、室町時代 と思われる木造「一遍上人立像」(94cm)、観音 堂の本尊である市重文、南北朝時代の「木造聖観 音菩薩半珈像」(99cm)など16点と写真パネル6 点。 最も目を引くのは、1770(明和7)年の軸「紙 本著色涅槃図」(縦263×横323cm)=写真。 釈迦の入滅の様子を描いた同涅槃図は、かつては 2月の涅槃会で掛けられていたが、公開されるの はほぽ半世紀ぶりという。画面の下には多くの動 物が描かれ、裏面には寄進者の戒名が記されてい る。 「展覧を通じて、尾道がもつ高い文化と伝統を 理解し、先人が残した文化遺産に対する認識を深 めてもらいたい」と担当の市世界遺産推進課では 話している。 [幾野伝] |