2007年5月15日(火)
 日本文化伝統の雰囲気味わう
  浄土寺阿弥陀堂で尾道薪能
舞台の様子
 尾道初夏の行事として人気がある「尾道薪能」
が12日夜、東久保町の真言宗浄土寺(小林暢善住
職)で開かれ、今にも降り出しそうな雨を気にし
ながらも800人が日本の伝統文化を味わった。
 主催者の尾道薪能実行委員会(堀田克介委員長)
が、昨年暮れに広島文化賞を受賞した記念の上演
会で今年16回目となった。堀田実行委員長が「能
は現代の生活とはかけ離れたものになっている部
分もあるが、その精神は今でも日本人の遺伝子に
組み込まれているはず。尾道文化の向上の一端に
なれば」とあいさつ。
 国の重要文化財の阿弥陀堂を舞台に、観世流シ
テ方の重要無形文化財能楽(総合指定)保侍者で、
尾道でも謡曲教室を開いている吉田潔司さん(65)
が「能も絵画や映画、音楽と同じように、難しい
という先入観なしに気軽に触れて頂きたい。650年
前に完成した古い日本の言葉なので、理解できな
いのは当然で、言葉遣いから頭の中で雰囲気をイ
メージして頂ければ」と解説。
 狂言「呼声」の後、夕暮れに合わせて舞台脇に
篝火が灯され、吉田さんが能のクライマックスだ
け演じる仕舞「玉鬘」を披露した。
 主演目の能「花月」は吉田さんの長男で同じく
観世流シテ方の吉田篤史さん(33)らが演じた。
生き別れになっていた僧の親子が京都で出会い、
一緒に修行の旅に出るストーリーで、観客は鼓や
笛の音に合わせて強弱の付いた舞いに見入ってい
た。
 潔司さんは久保小学校で能の授業を受け持って
今年で4年目になり、毎月1回6年生に手ほどき
している。篤史さんは尾道市内小学校の京都への
修学旅行で能舞台を案内するなど、能文化の伝承
につとめている。         [幾野伝]



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