2007年5月9日(水)
浄土寺の裏門
 江戸中期創建当初の姿を復元
  国内重文で唯一の鳩飼育装置も
裏門

裏門全景
 連休中、市街地は旅人で賑わい、尾道を代表す
る国宝の寺、東久保町の真言宗浄土寺(小林暢善
住職)にも多くの参拝客が訪れた。同寺では国の
重要文化財「裏門」の保存修理が昨年夏に終わっ
ており、創建当時の蘇った美しい姿が新緑に映え
ている(=写真上)。       [幾野伝]

 裏門(1994年国重文指定)は境内の南西隅に位
置し、現在は使われてはないものの、すぐ裏手に
ある庫裏に隣接している「長屋門」で、敷地面積
72.2平方mに横幅14.7m、奥行き4.9m、高さ4.5
mの2階建て切妻瓦葺き。
 老朽化が進み、以前から国に保存修理の補助金
申請を行っていたなか、2004年の相次ぐ大型台風
の襲来で被害を受け、白壁が剥がれ落ちるなど、
早急の修理が必要になり、2005年3月から災害復
旧の名目で全面解体を行い、続いて同7月から06
年9月末まで復元組立ての工事を行ったもの。
 両工事を合わせた総事業費は9534万円で、うち
6000万円が国の補助金、残りを県と市の補助
金、同寺の負担で賄った。設計管理は文化財建造
物保存技術協会、工事は葉名組(天満町)が請け
負った。
 過去の資料がとぽしいことから、創建年月は今
回も明らかにならなかったが、寺に残る正徳2年
〜享保4年、1757(宝暦7)年の境内図には裏門
の記載が無いことから、それ以降の江戸中期の建
立だという。1818(文化15)年に修理が行われ、
昭和40年代にも内部の改造が行われている。
 今回の解体修理による調査で創建当初の姿とそ
の後の変遷が概ね明らかになり、工事を機に出来
るだけ当初の姿に復元整備した。
 柱や梁は松材が中心で、壁土や瓦なども出来る
だけ現物を再利用、傷んだ柱は根継ぎした。正面
にある観音開きの門(=写真下)を挟んで、西側
の1階部分に7・8mx4・9m幅、東側に3・
9mx4・9m幅のそれぞれ倉庫があるが、東側
にあった六畳間を撤去、土間床の一室に復元。正
面2階部分の3つある窓の位置も創建当初の場所
に戻した。
 「文化庁によると、浄土寺裏門は部材を製材し
て使う土蔵形式ではなく、自然木による小屋組み
形式が特徴。さらに2階部分に竹と土で作られた
鳩を飼育する装置が見つかり、重文でこのような
ものがあるのは全国でも唯一」と市世界遺産推進
課では話している。
 同寺では今年秋から国重文の茶室「露滴庵」の
茅葺き屋根葺き替え工事と改修、続いて来年度以
降に同じく国重文「方丈」、「客殿と庫裏」、さ
らに山門に続く「土塀」と、順に改修工事が進ん
でいく予定。

場所はこちらの「し」



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