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2007年5月8日(火) 尾道大学 尾道の魅力を絵本で綴る 「おのみち草紙2」出版 「涙土手」など9編の創作民話 |
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尾道大学日本文学科と美術学科の共同制作によ る創作民話集「おのみち草紙2」が発刊された。 06年に続く第2弾で旧市街地を舞台にした創作民 話で今後は合併後の尾道全域を視野に入れ本作り を続けていきたいと抱負を述べている。 「『遠野物語』と遠野、宮沢賢治の作品群と花 巻の例に見られるように、土地の魅力と『物語』 は分かちがたく結びついています。魅力的な土地 からは魅力的な物語が生まれ、その物語がさらに その土地の魅力を高めるはず。私たちも尾道とい う場の魅力を体感し、そこから物語を綴って、尾 道の町の新たな魅力を作り出したい−そんな思い から、尾道大学で昨年始まった試みが『尾道創作 民話』です」(光原百合・文学科講師)と尾道の 町を創作民話で磨きをかけようと始まった『尾道 草紙』の第2弾で日本文学科の学生がオリジナル な民話を創作、田村禎英講師の指導のもと美術学 科の学生が挿し絵を描き、共同制作し絵本として 出版した。 今回は旧市街地を舞台にした民話で市川敬太さ んの「涙土手」、新星法安さんの「盆通い」、こ はらさちさんの「青い空」、三浦幸子さんの「猫 主様」、前田美穂さんの「約束一つ」、水戸川菜 緒さんの「かくれん坊」、三木慶美さんの「西国 寺の天狗」、藤井優希さんの「お稲荷さん」、そ れに光原講師が「花吹雪」を寄稿している。 華々しい満開の桜土手、点在する古寺に広がる 無数の墓石、猫の住む町、井戸や水神、かくれん 坊のモデルになる小路などみずみずしい感性で尾 道を捉え、民話を紡ぎだしている。偶然にも桜が 出てくる作品が重なっている。 挿し絵は高田知枝さん、新谷佳子さん、山崎芳 恵さん、竹内かなさん、藤本尚恵さん、金川友美 さん、渡辺美奈子さん、芦尾美緒さん、瀧原有紀 子さんと田村講師が担当している。「別冊文芸春 秋の連載で1年間、光原先生の挿し絵を担当しま した。久々にコンビ復活という感じです」(田村 講師)と感想を述べている。 光原、田村両講師は「昨年と今年は取材の都合 で旧尾道市街地のみを舞台とした創作になりまし たが今後は是非、尾道全域を視野に入れ息の長い 本作りを続けていきたいと願っています」と市民 に愛される絵本づくりを目指していきたいと語っ ていた。 3000部制作、定価は550円で尾道観光協会売 店、尾道商議所記念会館、啓文社などで販売して いる。 |