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2007年2月20日(火) 映画『あなたを忘れない』 失われてゆく大切なこと「自分に問い掛け」 花堂監督と池永さん舞台挨拶 |
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(続報)日本と韓国の国を越え、若者達の心と 愛の物語を通して日本社会の有り様を描いた日韓 合作映画『あなたを忘れない』の花堂純次監督 (51)と、映画に初出演した尾道出身のミュージ シャン、池永憲彦(かずひこ)さん(29)が17日 夜、福山市神辺町のエーガル8シネマズで舞台あ いさつした。 [幾野伝] 「カズ(池永さん)の古里での上映にお礼を言 いたくて−」との花堂監督の強い思いから、異例 ともいえる同劇場での上映最終日に舞台あいさつ が実現したもの。当初90席のスクリーンで予定し ていたが、池永さんの呼び掛けに尾道や福山の友 人らから希望が殺到、急きょ120席のスクリー ンに変更したが、それでも結局50人ほどは断ると いう作り手としても嬉しい反響があった。 上映前に2人が並んであいさつ(=写真)。花 堂監督は「カズとは以前から家族ぐるみの付き合 いで、どうしても皆さんにありがとうを言いたく て、やって来ました。作品については見て頂くの が一番。今失われていく大切なことは何なのかを 自分自身に問い掛けながら作りました」と短く語 り、池永さんは「映画を見て頂ければそれぞれに 答えが出てくるのではないか。ぽくも映画を見終 わった後、大切な人に会いたくなってすぐに電話 をしました」などと話した。 これまでにTVドラマ『失楽園』、映画『羊の うた』や『ヤンキー(不良少年)の夢』などを制 作している花堂監督。池永さんとの出会いは6年 ほど前で、当時監督から演技やボイストレーニン グを受けていた池永さんの妹、知枝美さんを通じ てだった。池永さん一家と親交を深めるなか、5 年ほど前には尾道を訪れている。 「カズの声には張りと厚みがあって、詩も伝え たいことを前面に出してメッセージ性が強い」と 高く評価。「いつかはこの音楽要素を生かして、 コラポレーションしたいと思っていましたが、意 外と早く実現しました」と語る。 今回は他のスタッフが、ミュージシャン数百人 の出演候補者の中からたまたま池永さんを指名、 驚いた監督も即決したという。韓国人留学生と心 を通わせるヒロインのバンドのギターリスト役で 出演、台詞も自然にこなした。 尾道については、「尾道水道を中心に、決して 観光名所ではない変化に富んだ景色が魅力。魚も 美味い。いつか映画の舞台にもしてみたい」と抱 負を述べていた。 『あなたを忘れない』は広島市の名画座・東洋 座で来月2日まで上映している。 |