2006年10月27日(金)
せとだ映画祭
『三文役者』『裸の島』『かげろう』上映
 新藤兼人監督ゲストに
  名優、殿山泰司 ルーツは瀬戸田
 
 瀬戸田町民の有志によって地道に続けられてき
た「せとだ名画鑑賞会」の活動が20周年になり、
来月3、4日に「せとうちせとだ映画祭」として
記念行事を開催する。尾道地方にゆかりの深い世
界最高齢の現役映画監督、新藤兼人さん(94)を
迎え、父親が瀬戸田出身で名脇役俳優、殿山泰司
さん(1915〜89年)の出演作で尾道・三原
地方でロケが行われた3作品を上映する。このほ
ど新藤監督から映画祭に向けたメッセージビデオ
も届いた。            [幾野伝]

 せとだ名画鑑賞会は「映画をスクリーンで楽し
み、大勢の人が同じ空間を共有しよう−」と19
86年5月、映画が好きな有志10人でスタート。
ベルカントホールを会場に、毎年数回づつ上映会
を開き、これまでに80作近くの日本映画を鑑賞し
てきた。
 今年は新藤兼人監督を招いて、名優殿山泰司さ
んの人生を描き、瀬戸田でもロケした『三文役者』
(2000年)、モスクワ映画祭グランプリの
『裸の島』(1960年)、尾道と三原を舞台に
した『かげろう』(1969年)の3本を2日間
で上映する。3日午後3時から「役者殿山泰司を
語る」と題して新藤監督と評論家の白井佳夫さん
とのトーク、4時から竹中直人主演の『三文役者』
を上映。
 4日は午後1時から『裸の島』、3時から白井
さんが「新藤兼人の仕事」で講演、4時から『か
げろう』を上映する。
 殿山さんの実父、殿山信雄さんは瀬戸田町林の
出身で農家の三男に生まれた。1977年には泰
司さんが吉祥寺にある先祖の墓参りに島を訪れて
いるという。
 ビデオメッセージ(=写真右)は、孫娘で映画
監督の新藤空さんが今月17日に撮影。「泰ちやん
とは長い付き合いで1950年、近代映画協会の
設立の時に飛び込んで来て、一緒にやろうと入っ
てくれた。私が撮った47作品のほとんどに出てく
れた。『三文役者』は長いこと考えてきた作品。
泰ちゃんはユニークな性格で多くの監督に可愛が
られた。同志である。ジャズの専門家でもあり、
玄人はだしだった。推理小説が好きで、ポケット
こはいつも文庫本を入れていた。自由奔放に生き、
借金も貯金も無く泰ちやんらしかった」と思い出
を語り、「瀬戸田で上映会があることを喜んでい
るはず」と期待を寄せた。
 事務局の瀬戸田町中野、メディアショップ友文
館社長、根葉博文さん(54)は「独立プロで映画
を作り続けているエネルギーを少しでも感じて、
瀬戸内の美しい風景のなかで懸命に生きる人の姿
を見て、自分達も一歩づつ進む元気をもらえれば」
と話している(=写真左)。
 チケットは前売りの1日1人券2000円、2
日共通ペア券5000円など。問い合わせは根葉
さんへ。

問合わせ先など詳しくは公式ページ
(期間中)



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