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2006年9月29日(金) 里帰り事業 麻生イト「女親分」の姿で活写 因島続き 尾道での顕彰は映画で始まる |
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尾道・十四日町の生まれで、造船業華やかな因 島を拠点に女性実業家として明治、大正、昭和を 生きた麻生イト(1876〜1956年)の生誕 130年と没後50年を記念する尾道事業が27日、 始まった。 [幾野伝] 初日は作家、今東光の同名小説を映画化、勝新 太郎と田宮二郎が主演しイトが因島の女親分とし て実名で登場する『悪名』(田中徳三監督、19 61年公開)の上映会がしまなみ交流館ホールで 行われ、400人が鑑賞した。因島や晩年を過ご した因島の対岸、愛媛県生名島などからも多くの 人が訪れた。 5月に因島で開かれた記念事業に続き、古里で もある本土側の尾道でも同女を顕彰しようと尾道 学研究会が中心になった麻生イト尾道里帰り実行 委員会(藤井良次委員長)と尾道市が企画した。 上映を前に主催者が「因島と尾道の、お互いの地 域文化の理解に繋げたい」と会場ナレーションで あいさつした。 映画は昭和初期の設定で、勝と田宮演じる「や くざ者」が女郎の足抜けを命懸けで実行するとい う単純な人情劇だが、懐かしの俳優が登場するた びに年配の観客らからざわめきの反応があり、後 半イトをモデルにした因島の女親分が調停役で姿 を見せると、「出た、あれがイトさんじゃ」とい う雰囲気が会場に広がった。当時の因島の賑やか だったであろう光景も劇中で再現されていた。 この後30日から、記念展尾道版「麻生イト、故 郷尾道に帰る・セピア色の尾道へ」が本通りのお のみち街かど文化館(三井住友銀行東隣)で開か れる。来月8日まで(5日木曜は休館)。 3日午後6時半からは尾道商業会議所記念館の 復元議場で、勉強会「尾道人物伝〜尾道と因島を 繋ぐ女傑・麻生イト」が開かれる。尾道学研究会 の例会企画で入場無料(定員55人で先着順)。顕 彰を目的に因島と尾道それぞれで作られたDVD 映像を上映、長年イトの歴史研究と資料集めに取 り組んでいる因島土生町、自営三阪達也さんがこ れまでの活動を振り返りながら講演する。 |