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2006年9月10日(日) 麻生イト尾道へ里帰り 「灯りまつり」に併せ尾道版の記念事業 映画「悪名」無料公開 "小さな合併記念事業"に市も参画 |
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今年1月10日に合併した尾道市と因島市の″小 さな合併記念事業″として、尾道出身で因島で活 躍した女傑麻生イトの生誕130年・没後50年 の顕彰が今春、因島と対岸の生名島で行われたの に続き、今秋の「灯りまつり」に併せて今度は尾 道で、映画「悪名」の無料公開など麻生イト尾道 里帰りの記念事業が行われることになった。 尾道学研究会(天野安治会長)と因島の有志、 それに尾道市の観光文化課で「麻生イト尾道里帰 り実行委員会」(藤井良次委員長)をつくり、記 念展と映画上映それに講演会の三本立てで、麻生 イトの顕彰事業を行う。 30日(土)に開幕する「灯りまつりイベント」 に歩調を合わせ、同日から8日(日)まで本通り の「おのみち街かど文化館」(旧ふらっと)で、 記念展尾道版を行う。入場無料。 先に生名島や因島で実施した写真パネル展に、 麻生イトの遺品や手紙などの資料展示と、当時の 因島の造船所などの背景。 また、尾道の当時を物語る貴重な写真が見つか ったので、それらも合わせて展示。「麻生イト、 故郷尾道へ帰る・・併設・セピア色の尾道へ」と 謳っている。 この記念展を盛り上げるため、プレ・イベント として大映映画「悪名」の無料上映会を、27日 (水)午後7時(開場6時半)から、駅前しまな み交流館で行う。 10日発行の広報おのみちで、入場希望者は市観 光文化課に往復ハガキで申し込むなど詳しく案内 している。 この申し込み状況をみながら、整理券所有者が 万が一にも入場できないようなことがないよう配 慮して、可能な限り多くの希望者に観てもらえる ようにしたいと事務局は説明している。 映画「悪名」は勝新太郎と田宮二郎のコンビで、 女親分麻生イトには浪花千栄子が扮し、中村玉緒 らが出演。原作は今東光で、座頭市シリーズ同様 にシリーズものとして大ヒットした連作の第一弾。 おのみち映画資料館には、1万5、6000枚 の封切り映画のポスターがあるが、残念ながら上 映される「悪名」のポスターは確認できなかった。 3日(火)午後6時半から、街かど文化館に近 い尾道商業会議所記念館2階議場で、「尾道人物 伝〜尾道と因島を繋ぐ女傑・麻生イト」の尾道学 研究会を開く。入場無料。 因島で麻生イトを顕彰してきた三阪達也さんの 講演のほか、因島と尾道それぞれで作られた発掘 顕彰のミニ映像作品の映写がある。 【麻生イト(1876〜1956)】 尾道の薬師堂町(十四日町)の生まれ。各地を 転々とした後、造船景気に沸き立つ因島へ渡り、 造船関連の解船業(船の解体)、口入屋(人材派 遣)から、麻生旅館、ナティーク城山の前身たる 城山倶楽部など、多方面に経営を手掛け、人並み 外れた度量と人望により、一代で「麻生組」を興 すなど、まさに女性経営者の先駆け。 その手腕も広く認知され、憲政の神様といわれ た尾崎行雄や、松山の俳人・河東碧梧桐など、当 時の政界人や文化人達とも親交があった。 今東光の小説『悪名』では、因島の女大親分と して実名で登場し、林芙美子の初期の自伝小説 『小さい花』にも登場する。 後年は私財を投じて、町の整備や幼稚園・学校 を設立するなど、地域振興にも多大な貢献を果た している。更には生名島に観音信仰の霊場として 「三秀園」を開創している。 |