2006年5月9日(火)
『夢の百万人』
天も味方、反対論や危機感が結束を生む
 地方の"十万都市"では大偉業
  「これからどうなるか」はこれから
 事が成就する、成功するためには「天・地・人」
の3つが必須とされているが、天候に恵まれ、
「終わった後はどうなるのか?」という危機感ま
で芽生える一体感と、一部に反対する人が居たこ
とで逆に結束が強まったこと。さらに本紙が早く
から「夢の百万人」を唱えたことで最後にマスメ
ディアの応援(報道)があり、映画「男たちの大
和」ロケセットは、十万人(開始時)の地方都市
では稀有といえる『夢の百万人』の入場者を達成
することが出来た。
 6日(土)はお天気が持ち、入場者の実数では
4日に次いで2番目に多い1万6158人(委託販売
分216枚)の入場があった。
 このため、トータルで99万人にアト僅かのと
ころまで届き、しかも委託販売分が既報の通り7
日計上分(6〜7日に集計中)で5000人近く
は見込めたため、いくら悪天候になっても7日当
日5000人以上の入場者があれば「百万人の大
台に乗る」ことになり、急速、百万人目の入場者
のイベントを行うことを6日夜、決定した。
 7日夕方近く、記念すべき百万人目の入場者と
して、広島県の青年に、大和ロケセット公開推進
委員長の川崎育造観光協会長(副会頭)から「1
00万人目入場認定証」に副賞のハワイ旅行ペア
旅行券を贈った。
 思わぬ幸運に青年は「前から大和ロケセットを
見に行きたいと思っていたが、最終日にようやく
来れた。セットの大きさに驚いたが、自分が100万
人目になったことで、より感動しました」と満面
笑みで喜びを語っていた。
 昨年7月17日に開場し、10万人目が8月27
日。25万人目が10月18日、50万人目が今年1
月15日だった。
 7日(日)の最終日は、午前中に小雨も上がり、
委託分3674枚も含めて1万2643人の入場
があり、まだ委託分の残余があるものの、期間中
253日間での総入場者数は100万2334人
となった(7日集計分)。
 5月(7日間)は1日平均1万3000人以上の入
場を記録し、百万人達成の偉業を成し遂げること
が出来た。
 期間中では1日平均3800人以上となり、
「毎日が菊人形期間中の日曜日の人出」という状
況を創り出した。
 『大和ロケセット百万人入場』の一大イベント、
大戦争が終結し、8日から1週間かけて会場内で
後片づけをする。
 ロケセット公開推進委では、6月末の決算とな
っており、これから借り主である東映側との″難
しい最終交渉″の詰めを行い、決算数値を確定さ
せていく。
 従って、現時点では『これからのこと』は未定、
ないしは未公表ということになる(交渉の支障)。
 百万人の大台達成をも記念し、何らかの形でお
のみち映画資料館の中に、その痕跡を残したい、
残すべきだという声が起き始めている。

解説
「合併」よりもひと足お先に
 危機感と批判逆に『一体感』を醸成
  リスク負い、ボランティアで
 『市民的関心事』という意味で、この一年間ほ
ど多くの関心が集まった年は、それほど過去に例
がないであろう。
 時系列的には1.小泉解散とホリエモン立候補に
ライブドア事件▽2.大和ロケセットの公開、大入
り、百万人達成か?▽3.陰山土堂小校長の活躍と
去就の、いわぱ全国ニュースの三つがあり、純地
元的にはもう一つ二市三町の合併成就があった。
 この中でも、大和ロケセットは日々、市民の目
に映り体感できることであり、かつ余りに人が入
ることで「終わったらどうなるのか?」という危
機感が、入れば入るほど逆に醸成され終盤に来て
意外なほどの市民的関心事になっていった。
 冒頭「天・地・人」と大上段に構えたが、6日
(土)、7日(日)とも最悪の天気予報の中で
「夜降って朝上がる」という奇跡的な天の味方が
あり、これが一番(天が味方)。
 百万人という数字の一種の″魔力″もあったが、
陰の功労者がこのロケセットの公開に反対した一
部の人達というのがなんとも皮肉。
 その反対の「主張の正当性」云々よりも、当初
は悲壮なまでのリスクを負い、多くがボランティ
アで取り組んでいるという誇りも手伝って「そう
まで言われるのなら、なにがなんでも成功させな
くては」という結束、一体感が醸成されていた。
 「合併による一体感の醸成」のスローガンが、
皮肉にも大和ロケセットによってひと足早く一体
感が醸成されるという結果を生んだ。
 この一体感は「大和が終わったら尾道は沈没し
たと笑われないように..」という、次なる一体感
まで巻き起こしつつあり、川崎協会長には『人一
倍、この想いが強い』のではなかろうか..。
 そして何よりも、急ごしらえのイベント会場に
もかかわらず、期間中、大きな事故もなく無事終
了できたことも「天が味方した」といえるであろ
う。
 尾道は今回もまた『大きな幸運』を自分の手で
ガッチリとつかんだと総括してよいのではなかろ
うか。
百万人目の方のお名前と写真は転載から除外しました

転載責任者メモ:これを転載している時点で、呉市にロケセットの一部を
        移設展示したいという意向があるとの新聞報道があり、
        これが実現すればますます素晴らしいことだと思います。
        これだけ巨大な物をすぐゴミにしてしまうことと、今後も
        大和の悲劇を伝える道具として使えるだけ使っていくことの
        どちらが良いかは言うまでもありませんね。


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