2006年4月12日(水)
まず16日に生名島で
尾道出身。林芙美子の小説にも登場
 生誕130年女傑麻生イトの顕彰を
  記念展、記念誌に「女傑一代」記念酒
写真を手に三阪さん
 尾道出身で因島で活躍した女傑「麻生イト」の
生誕130年記念事業が16日(日)から始まる。
因島で生まれ尾道の豪商橋本竹下らがその才能を
開花させた本因坊秀策と同じように、この麻生イ
トを顕彰、お互いに知ることで尾道と因島の絆が
より固くなり、市民的にも合併の一体感が醸成さ
れてくるのではないだろうか。
 すでに本紙では、元日付けの新年号と2月23日
付けの2回にわたって、麻生イトと尾道との関わ
りについて詳しく報道している。
 因島の向かいの生名島には、イトが「三秀園」
という庭園を造成し、観音信仰の霊場にしている
が、その観音さんの例大祭が16日(日)午前9
時から開かれる。
 午前10時から弁天さんで神事、10時半から観音
堂で読経、11時から麻生イト法要を営む。
 当日、三秀園内で1日だけ麻生イトパネル展を
開く。
 他に、立石観音講でお接待。花の苗が先着30
0人。子安観音ではお茶100本。生名商工会青
年部などによるバザー、びっくり宝物市。いきな
YOU遊塾の模擬店なども出店する。
 続いて5月27日(土)から6月4日(日)ま
で、因島土生中央駐車場で「イトと造船の島」記
念展を開催する。
 尾道で唯一の醸造元になった(株)備南酒造が
生誕130年を記念して「女傑一代」の記念酒の
完成披露もある。
 また、弓削商船・岡山商大の村上貢名誉教授の
監修により「記念誌」を製作中で、この記念展に
合わせて発行する。
 麻生イトと近い関係にあった土生町の三阪達也
さん(写真の人)は「映画悪名の監督からも記念
誌に寄稿を頂戴することが出来た。監督がお元気
なうちに、映画のまち尾道で監督の講演会(悪名
の思い出話など)が開いてもらえないだろうか?。
また林芙美子の作品にも男装の女傑として登場し
ているので、その面でももっとPRしてもらえた
ら..−と尾道ブランドの発信力に大きな期待を寄
せている。

 麻生イト(1876〜1956)
 尾道の生まれで、北海道、大阪を経て、造船景
気に沸く因島へ移ると、解船業や口入屋(人材派
遣)、旅館業などを手がけ、一代で麻生組を創し、
人並み外れた度量と人望で大勢を率いた、女性経
営者の先駆けでした。
 今東光の小説「悪名」の中では、女親分として
実名で登場し、また林芙美子の初期の自伝小説
「小さい花」では、「おりくさん」という名前で
登場する、男装の女傑です。
 また、文人との交遊があるだけではなく、尾崎
咢堂(憲政の神様と呼ぱれた、元衆議院議長)や、
望月圭介(大崎上島出身の大臣)といった政界と
も親交があったとされます。
 因島の向かいの生名島には「三秀園」という庭園
を造成し、観音信仰の霊場としました。

土生中央駐車場はこちら>



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