2006年3月26日(日)
半田堅二さん次々に古文書を解読
 戦国武将、「高須杉原展」
  尊氏、毛利の家臣として活躍
展示の様子
 次々と古文書を解読し尾道地方の埋もれた歴史
を発掘している向島町、尾道郵便局集配営業課、
半田堅二さんは東久保町、中央図書館市民ラウン
ジで「尾道の戦国武将高須杉原展」を開いている。
4月7日まで。
 山口市の山口県文書館に足を運び「萩藩閥閲録」
にある杉原家文書をデジカメで撮り、80枚の原文
を額縁にいれ直訳と古文になじみのない人には現
代語訳も展示し分かりやすく解説している。
 杉原家の先祖は平清盛より6代目の伯耆守光平
で南北朝時代、足利尊氏の援軍として働き備後福
田庄、現在の高須町から福山市新市町までの領土
を与えられる。杉原家は木ノ庄木梨と高須を兄弟
で支配するようになる。
 室町時代の応仁の乱では西軍の山名氏側につい
た記録が残っている。
 戦国時代、毛利と尼子の戦いでは木梨の杉原家
が尼子、高須の杉原家が毛利方につき、杉原家は
分裂。尼子が破れ木梨杉原は断絶した。
 毛利家の家臣になった杉原家は太閤秀吉の朝鮮
出兵に際して毛利輝元の指示で高麗まで出かけて
いる。
 数々の手柄で毛利家からは沼隈の山南、山口の
周防と長門の領地を与えられ、小早川隆景とは兄
弟分の契約書を交わすほど信頼が厚かった。
 江戸時代、関ケ原の戦い後、杉原家は高須を引
き払い山ロ周防に移り住んだ。
 杉原家に関する資料は地元尾道には少なく、山
口に貴重な資料が残っている。
 貴重な資料として「朝鮮出兵 太閤様の命令」
が展示されている。朝鮮の王子が来るので万事怠
りなく準備をしておけ、来ない場合でも最善を尽
くせ。王子の出迎えは家康、輝元、宇喜多の3人
が筋だが代わりに浅野長政、石田三成、輝元の3
人を遣わせ。船は100隻を新調、200隻は小
早川隆景に出させよと指示している。
 加藤清正に出した命令書には徳川家康、前田利
家、毛利輝元、宇喜多秀家の花押があり、全員が
秀吉の指示に従っている。秀吉らしい策略をめぐ
らした命令書で有力大名との微妙な関係が透けて
見える。
 「因島と合併、次は因島水軍の歴史を紐解いて
いきたい」(半田さん)と早くも次のテーマに取
り組んでいる。

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