![]() |
2005年5月25日(水) 阪本善尚カメラマン 雁木消え 駅前界隈の激変に!? 映画『大和』撮影で尾道20年振り |
|
![]() |
||
◎..尾道での撮影が終盤を迎えている東映映画 『男たちの大和/YAMATO』(佐藤純彌監督)。 撮影監督の阪本善尚カメラマン(63)にとって、 尾道での映画撮影は実に20年振りとなった。日本 大学の学生時代、大林宣彦監督(67)と出合い、 その後コンビを組んでチャールズ・プロンソン、 ソフィア・ローレン、リンゴ・スターなど世界的 俳優を使ってコマーシャル史に残る名作品を数多 く生み出した人物。 ◎..映画では《HOUSE/ハウス》をはじめ尾 道三部作の《転校生》《時をかける少女》《さび しんぼう》のほかに《麗猫伝説》《彼のオートバ イ、彼女の島》《野ゆき山ゆき海べゆき》や《廃 市》《天国にいちぱん近い島》《異人たちとの夏》 《はるか、ノスタルジィ》など多くの大林作品で 撮影監督をつとめている。1986年公開の《野 ゆき−》以来、今回20年振りの尾道滞在となった。 ◎..「尾道には必ず、福山で新幹線を降りて、在 来線で入ることにしています。(山波の)あのカ ープを曲がって飛び込んでくる風景はやはりいい。 学生の頃も何度か山陽線を通ったが、何か他の町 にない雰囲気を感じ取っていました」と阪本さん。 ◎..「私は尾道に住んでいる者ではないので..」 と前置きして、「昨年秋、ロケハンで久し振りに 尾道に来た時、まず駅前にびっくりしました。降 りる駅を間違ったかと錯覚したほど。雁木も無く なってしまった。あれでは、以前の尾道を知る大 はガッカリするし、初めての人にとってもどこに でもある町と同じじやないですか?」と駅前界隈 の変わり様に対する落胆振りは大きい。 ◎..「大林監督とは当時、自転車で路地裏をロケ ハンしました」と懐かしむ。「全てが古いのでは なく、観光用に無理に残しているでもなく、古い ものと新しいものとが上手く混じり合って、どこ か文学的な匂い、生活感が漂うところに尾道の魅 力があったはずのに」。 ◎..「暮らしている人にとっては、新しくなるこ とは仕方ないことかも知れないが、そのやり方 (古いものを活かして)をもっとよく考えて欲し かった。大林監督に限らず、新藤兼人監督などせ っかく多くの文化人を輩出している町なのだから、 そういう人達の意見も聞き入れてみればよかった のに、残念。一度無くせば、もう取り戻せないの ですから..」と1人の芸術家としての感慨を語っ ている。 |