2005年5月25日(水)
京都のまちづくり
景観等条例による法の網だけでなく
 『運命共同体』の住民意識
  『町作事』で京職人を継承、育成し
説明は本文中に
 青蓮院から知恩院にかけての歴史的風土を「京
都市風致地区条例」によって、高層マンションや
商業主義による景観・環境破壊から守っている京
都市は、知恵院から南(駅寄り)へ清水寺にかけ
ての山手地区を、市街地景観整備条例によって守
っており、町衆の方も「町作事」により町の情緒
を壊わさないよう率先協力している。
 昨報の知恩院は、東山魁夷画伯の絵でも高名な
「しだれ桜」がある円山公園と隣接。円山公園は
祇園さんの八坂神社の山手にあり、公園を南へ抜
けると、今京都で1番の人気スポットになった
「ねねの道」へ通じる。
 ねねの道の高台に、北政所の高台寺と坂本龍馬
などの維新の墓があり、高台寺入口の交差点を南
へ横切ると一念坂、二寧坂、三年坂を通って清水
寺へ至るコース。距離的にも浄土寺〜千光寺のコ
ースに似ており、古寺と遺跡、観光業者と地域住
民が共生している姿もよく似ている。
 ねねの道は、文学のこみちと提携した「哲学の
道」ほどでもないが″観光俗化″して(倉敷の美
観地区レベル)いるが、その下側の「石塀小路」
から清水寺参道の「一念坂」から「二寧坂」にか
けての小路・路地は、昔ながらの景観と情緒を保
ち、この京都らしさが人気スポットの原因ともな
っている。
 もう5年以上も前になるが、一念坂〜二寧坂に
木の香りがするような日本家屋が次々に新築され、
通りの一隅にこの町づくりのコンセプトを謳う
「壁看板」が町作事の組合によって掲示(木板に
墨書)されていた。
 今回、2時間近くかけて何度も往復し、地区の
町内会長や古くからある喫茶店、石塀小路の出入
り口近くの老舗の豆腐屋さんそれに観光人力車を
ひく若者らに、町作事の掲示板の在り場所を訪ね
たが誰1人知る人がいなかった。
 豆腐屋の老女将に、この辺は店の入れ替わりが
激しく誰も町内のことがよく分からない、恥ずか
しい所なんですヨと小声で打ち明けられたが、町
内や地域としてのコミュニティが壊されているに
もかかわらず、他所に比べこれほど町づくりの規
律が守られている観光名所は少なく、『運命共同
体』の住民意識を持つことの大切さを改めて教え
られた。
 さんざん歩き回ったお陰で、八坂神社から高台
寺への「ねねの道」下の石塀小路周辺にも3軒の
マンションが建てられていることが分かった。う
ち2軒が6階建て、1軒が4階建て。
 石塀小路のトンネル出入口(尾道の新開と酷似)
の両脇に6層マンションがあるが、1軒は屋根等
が和風、もう1軒はマンション全体を昔風の屋敷
塀で囲んでおり、上を見上げないで通行している
観光客にはマンションと気づかない造りになって
いる。
 この近くの路地に、工事中のホロをかけた割烹
があったが、「京都市市街地景観整備条例」の許
可を受けて改築されており、許可年月日が今年4
月26日の日付になっている(東山区高台寺鷲尾
町)。
 円山公園から北が「風致地区」、南が「市街地
景観整備地区」の二本立てなのか。
 尾道の場合、尾道三山と尾道水道(駅〜浄土寺
下)をどう守り、どう活用していくか。
 マンション建設などにただ反対していくだけで
なく、また2、30年たてば問題が発生するよう
な″売り逃げ″マンションではなく、高さやデザ
イン等も含めたグレードの高い、何代にもわたっ
て「住み継ぐ」ことができるマンションを三山の
壊や水道近くに積極的に誘致するぐらいの積極性
がないと、まちは守れないことを示唆してくれて
いる。
 また、法の網や指導という行政努力だけでなく、
自らが積極的にまちをつくっていく『町作事』の
思想なくして、本当の意味でまちは起きない。
 記者と同様に「景観」ではないが「風景特区」
構想(言葉づかいの違いだけ)を打ち上げている
建築専門家の藤本友行市議(誠友会、四期)の問
題意識や提言を次回から紹介したい。

 「町作事」とは?
 石塀の上に木板の塀囲いをし、小さな庭に囲ま
れた日本家屋を新築することで、京都の伝統文化
や庶民の暮らしを守ってきた大工、左官から畳職
人、庭師それに指物師や表具師、塗師、瓦職人らの
仕事を創り、彼らが持つ日本の伝統工芸技術を伝
承しょうという営み。
 同組合長は、全国レベルの港町ネットワークの
基調講演を行うほどの評価が一方にある(地元の
認識、評価は?)。
 先年、亡くなった寿司宮徳の6代目は、平成の
初めごろまでは「せいろ寿し」の容器の塗り替え
が尾道で出来たのに、今では石川県の輪島へ出さ
なくてはいけないと、尾道の「職人力」の低下を
早くから嘆いていた。

転載責任者メモ:今回の記事は「山陽余韻」というコラム欄と一体になっている
        部分もあって、どこまで転載するか迷いましたが、とりあえず
        地元新聞の考え方の一端を知って頂ければということで、昨日と
        2回分の本文のみ転載してみました。
        今後、議会の動きや業者との折衝など載ってくると思いますが
        ここには途中経過を載せませんので、地元で記事をご覧下さい。


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