2005年4月10日(日)
天野さんが市に寄付
「尾道の郵便」研究資料など約480点を
 先祖伝来 高橋由一作「肖像画」なども
  銀行発祥の地、歴史博物館誕生機に
寄贈された絵
天野さんと市長ら
 ゴールデンウィーク前に開館する「おのみち歴
史博物館」の誕生を喜び、広島銀行の発祥に深く
関わった尾道の豪商の末裔が、先祖伝来の当主肖
像画や自らの郷土研究資料など約480点を8日、
尾道市へ寄付した。肖像画の中には、国の重文作
家で幕末・明治の洋画黎明期の巨匠高橋由一の作
品も含まれており、歴史博物館の目玉展示物の1
つとして話題を集めることになる。
 寄贈したのは元高校教師で市文化財保護委員の
天野安治さん(写真中央)。天野さんは明治中期に
銀行をはじめ電気・鉄道・ガスや倉庫、それに山
陽鉄道を市街地に敷設するなど尾道近代化の基礎
・インフラ整備に橋本・島居両家などと共に多大
な貢献をした天野嘉四郎を高祖父に持つ天野家の
末裔。
 その嘉四郎が明治10年、郵便局長を拝命した
ことから郵便との関わりが生じ、自身が幼少期か
ら切手に関心を持ち小学校高学年の時から本格的
な切手の収集をはじめ、60年を越える切手収集
と研究のキャリアは、日本における第1人者とし
て知る人ぞ知る存在でもある。
 今回寄付されたものは、明治10年の拝命辞令
にはじまり、明治初年から昭和20年までの差立
ての書状・葉書類(「尾道の郵便の歴史」)が251
点。
 明治初期から昭和20年までの尾道差立ての尾
道局消印の切手類204点。小林和作がフランス
から山口の実家へ送った絵葉書2通ほか関連6通。
 天野小太郎宛ての釈迢空の書状2点・葉書4点。
同じく島木赤彦の葉書2点、佐々木信綱の葉書1
点など合計474点。
 これら研究収集資料とは別に、天野家伝来の肖
像画や軸など7点も同時に寄贈した。
 (1)天野半次郎(3代目)貞篤72歳之像=明治
12年、伝高橋由一、油彩▽(2)天野嘉四郎之像
(油彩)▽(3)天野半次郎(4代目)貞勝=明治34年頃、
山内恵僊作、油彩▽(4)天野小太郎=絹本着色▽
(5)天野小太郎(素描)=下村為山作、和紙、墨書
き▽(6)棕梠=下村為山、紙本墨画▽(7)「人間本
来平等」軸=大正9年、河東碧梧桐作、紙本墨書
の7点。
 (1)の肖像画については、額裏に「東京 高橋由
一」と明記されているが、由一(ゆいち)直筆の
ものか、それとも由一スタッフの共同によるもの
かの「鑑定」がこれからになるため、寄付者の意
向も考慮して、あえて「伝高橋由一」としている。
 8日午後2時、寄贈品の一部を持参して亀田市
長を訪ねた天野さん(写真中央)は、天寧寺脇から
久保マンションに移って後、母親が「確かに肖像
画があった」と言うので物置の奥から見つけ出し
たもの。
 郵便局長拝命辞令などは、大学(京都大史学)へ
行く前から自分が保管していたが、一部のものに
ついては青木茂先生から「これは天野家のものだ
から....」と″返還″していただいたものもある。
自分が在学中に父親が処分し、他人手に渡ったも
のを青木先生が入手され、新修尾道市史の編纂後、
青木さんの好意で戻ってきたことを指す。
 亀田市長は1つずつ手に取りながら天野さんに
何度となく質問。広銀跡には『本物を展示したい』
という市長の本物志向に合致した今回の寄贈に、
心から敬意と謝意を重ねて表明していた。
 寄贈品については、オープン時から順次、作品・
資料の展示替えをしながら1階展示室で展示して
いくことになる。
 天野さんは「古い絵葉書には、当時の尾道の風
景や町並み、それに人物などが写ったものが多く
これらは尾道の歴史の証人・語り部として貴重な
ものになっており、開館を機に私蔵の古いものや
絵葉書等の″申し出″に期待したい」と話し、市
長も「それらを展示・保管する施設がようやく出
来た」と賛意を述べていた。



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