2005年2月8日(火)
福音館書店の人気月刊シリーズで
 尾道水道 渡船の1日が絵本に
  林原玉枝さん『わたしぶね』発刊
表紙
 絵本作家で日本児童文学者協会会員の林原玉枝
さん作の絵本『わたしぶね−フェリーがつくるう
みのみち』(=写真)が発刊された。尾道と向島
を往き来する渡船の一日を舞台に、この町で元気
に、ゆったりと暮らす人々の優しい姿が描かれて
いる。定価410円で全国の書店に並んでいる。
 福音館書店の月刊「かがくのとも」シリーズの
3月号(通巻432号)として刊行。縦24.6×横
22.5cmのカラー28ぺージ。渡船の朝の混雑から昼
の静かな時間帯、真っ暗になった夜の運航までを、
客観的にではあるものの、尾道水道の渡船(フェ
リー)を共に生きる「一員」として見なし、一種
「擬人化」している点に、この町に暮らしている
作者だからこそ表現できる優しい眼差しが、物語
のベースになっている。
 雨の日も風の日も休みなく動いている渡船と利
用するお客、そこで働く人の様子と交わす言葉が
すべて平仮名で綴られている。「しまにかえるひ
と、でかけるひと。やってくるひと、かえってい
くひと。こんにちはと、さようなら。いってらっ
しゃいと、おかえりなさい。わたしぶねは、まい
にちいろいろなひとをのせてうみのみちをすすみ
ます」。
 絵は「まんが日本昔ぱなし」などのアニメーシ
ョン制作に携わってきた岡山市のアニメーター、
野村誠司さん。今回が初めての絵本になった。
 作者のことぱとして林原さんは「....渡し船は、
今、さまざまな悩みを抱え、時代の荒波と闘いな
がら運航しています。けれど、渡し船で海の道を
運ばれる、短い航海の間、私はいつもほっとする
のです。波の下には魚たち。波の上の空にはカモ
メ。どんなに時代が変わっても、私たちは誰も皆、
大自然という、ゆりかごに抱かれているのだとい
うことを、ゆうらり潮風のなかで、思い出すから
かもしれません」と語っている。
 林原さんは『森のお店やさん』(アリス出版)
などこれまでに多くの絵本を出版。さらに小学3
年生が使っている国語の教科書(光村図書)に
2002年度から『きつつきの商売』が巻頭で掲
載されて、全国の小学校で教材として親しまれて
いる。08年までの掲載延長も決まっているとい
う。

転載責任者メモ:今まで見た色々な写真や絵画と比べても、私の中では最高の部類に
        入る大好きな1冊になりました。「かがく」ですから、あくまで
        渡船はリアルなのですが、ほんの少しのデフォルメによって、
        本当に人格が与えられたような温かい乗り物に見えます。風景も
        簡略化されていますが、それぞれ「あそこだな」と分かるリアルさ
        を保っていて、夜景がまた美しい。お薦めの1冊。税込み410円は安い。
        主に尾道渡船がモデルになっているようです。


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