2005年2月3日(木)
若干31才、地域愛好家、大成経凡さん執筆
 広島・愛媛両県にまたがり
  「しまなみ海道の近代化遺産」
表紙
 船員として世界の大海原を駆け巡る一方、地域
史愛好家として愛媛、広島両県にまたがり、明治、
大正、昭和初期の建造物の調査、時代背景や文化
まで掘り起こした「しまなみ海道の近代化遺産〜
足跡に咲く花を訪ねて〜」が1月、発行された。
 著者は大成経凡(おおなり・つねひろ)さんで若
干31才。愛媛県越智郡波方町生まれで今治西高校
から東北福祉大学に進学、卒論は「地域文化を活
かしたまちづくり」。越智郡の中学校社会科講師
を勤めた後、愛媛県教育委員会の文化財調査事業
に関わり、これまで「海の来嶋 山の久留嶋 童
話の久留鳥」(自費出版)、「近世今治物語」
(創風社出版)、「しまなみ海道浪漫のみち文化
財調査報告書(石造物編)共著」(愛媛県教育委
員会発行)、「愛媛温故紀行」(えひめ地域政策
研究センター発行)の著者がある。現在、昌栄海
運の船員として瀬戸内海、日本海、太平洋の駆け
巡っている。
 新刊、「しまなみ海道の近代化遺産〜足跡に咲
く花を訪ねて〜」はA5版、324頁で愛媛県松山
市、創風社から出版。定価は1800円+消費税。
 大成さんはしまなみ海道開通前から地元ですら
余り知られることなく、評価どころか正しい認識
すらなかった遺産や歴史資料をコツコツと足で稼
ぎ、開通後はしまなみ沿線16市町村を愛媛県や
同教育委員会とともに中世石造物、明治から昭和
初期の建造物を調査。それに加え、県境の壁を超
え、広島県側の歴史、文化遺産をフィールドワー
ク、海道という地域ゾーンまで視野を広げ、躍動
感あふれる歴史を伝えている。
 新書には尾道市の「山陽鉄道敷設と坂の町〜商
都尾道の近代物語」、向島町の「除中菊神社〜し
まなみ最初の除中菊栽培地」、因島市の「大阪鉄
工所(株)因島工場〜造船で都市化された島」、
瀬戸田町の「耕三寺と潮聲閣〜愛する母への贈り
物」、「大崎下島のみかん畑〜大長みかんのふる
さと」と広島県側は5編が収められている。
 愛媛県は大三島町が「鏡村煙草耕作組合タバコ
乾燥室」や「大山祇神社国宝館〜国宝を展示する
近代博物館」、波方町の「金比羅灯明台〜一杯船
主が躍動した町」、今治市が「波止浜船渠造船所
〜愛媛近代造船の父・石崎金久翁」や「八木亀三
郎家住宅〜塩田で栄えた波止浜の町並み」、伯方
町は「伯方島の塩田と専売庁舎〜しまなみソルト
ヒストリー」、玉川町は「今治電気(株)長谷発
電所〜今治産業界が生んだ水力発電所」など13編
が収録されている。
 大成さんは「現存する遺産の背景を調べること
で不思議だが、その地域の近代史が活き活きとよ
みがえってくる。失われる遺産が多いなか、その
価値を知ることで、地域に対する見方が変わり、
あるいは誇りが芽生え、活用保存を含めた動きも
今後生まれてくることを願っている」。
 「目の前に迫った平成の大合併で失われる町村
名や地名もあるだろうが忘れて欲しくない歴史を
いまここにとどめたい」とあとがきで発刊の意義
と意味にふれている。
 「しまなみ海道の近代化遺産」に関する問い合
わせは創風社(電話089・953・3153)
まで。



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