2005年1月1日(土)
連休前にオープン
豪商が創った建物に、残された貴重な遺産を
 『本物』をコンセプトに
  旧広銀支店跡に「おのみち歴史博物館」
建物外観
古鏡
屏風
 春4月のゴールデンウィークに、尾道市に初
めて「博物館」の名称が付く施設がオープンす
る。尾道市役所前の旧広島銀行尾道東支店を改
修し、建物自体も含めて「古いものに磨きをか
け新しく再生し、商港都尾道の繁栄を語り継ぐ
本物の文化財を展示する」仮称おのみち歴史博
物館がそれ。
 旧広銀支店建物は大正12年に現在地に「尾
道銀行」本店として建てられたものだが、銀行
史としては明治28年の「尾道貯蓄銀行」を引
き継いでおり、最も由緒ある銀行(写真は「ふ
るさとの想い出写真集・明治大正昭和尾道」よ
り)。
 周辺一帯は住友銀行、第六十六銀行、尾道貯
蓄銀行などのゆかりの地で、昭和40年代まで
は「銀行浜」という地名(呼び名)が残ってい
た。その一角に現存する貴重な建物として平成
16年5月、尾道市の指定文化財に指定された。
 博物館改修工事にあたっては、可能な限り開
設当時の姿に復元すると同時に現状を維持する
ため、高さ10mの天井(吹抜)を復元。カウン
ターは人と人をつなぐものとして保存活用、重
厚な扉の金庫は時代を語る造形美があふれる歴
史的資料としてそのまま残す。
 尾道貯蓄銀行を創設した天野嘉四郎、橋本吉
兵衛、島居儀右衛門ら豪商達によって育まれた
「尾道の文化」の展示や継承が博物館の基本コ
ンセプ
トになる。
 その展示品の一部は、既に本紙に断続的に報
道してきているが、建物と同様に市重文指定さ
れた「平田玉蘊ゆかりの古鏡」(の一部、写真)
や広島県最初の新聞「日注雑記」などの3点新
聞セット、故財間八郎先生ゆかりの品々(財間
文庫)がある。
 玉蘊愛蔵の古鏡を取得寄贈した入船裕二・文
化財保護委員会参与の肝煎りで尾道ロータリー
Cが浄土寺蔵の「安永の屏風」(写真)を原寸
大で陶板で製作し、展示する計画も進められて
いる。
 これまた既報済みの「大鍛冶屋」関連の所蔵
資料数千点の中には、江戸時代の「瀬戸内海海
路図屏風」など貴重なものが多く、年明けての
課題となっている。
 切手研究家として高名な天野安治氏のコレク
ションの一つ「尾道の郵便史」や、同家に伝わ
る「天野半四郎貞篤肖像」=伝高橋由一、明治
12年頃=ほか肖像画4点など豪商の残した遺
産の協力を仰いでいくことになる。
 オープンは4月末の連休前を目指し、運営そ
の他では近隣の映画資料館との連携を深めてい
く。「容れもの」を造ることで、より貴重なも
のが集積されるシステムをつくることが可能と
なり、そのためには継続的かつ学術的にも価値
ある展示(替え)が必要となり、豪商ゆかりの
人や多くの市民からの協力・支援を得る必要が
ある。

場所はこちら>



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