山陽日日新聞ロゴ 2004年11月5日(金)
DVD上映
伝統産業の拠点施設で尾道新名所
 尾道帆布資料室オープン
  昭和初期の織機や巨大な糸掛け機
展示の様子
 中央街、尾道郵便局東隣、リビンズ藤井跡に引
っ越し、仮営業していたNPO法人工房おのみち
帆布(木織雅子理事長)に「帆布資料室」が完成
したのに伴い、3日、本格オープンした。
 2日夜、前夜パーティが開かれ、関係者約80人
が参加した。
 はじめに木織雅子理事長が「5年前、向東の尾
道帆布を初めて訪れた時、巨大な糸掛け機に感動。
もう使い物にならないので捨てると言われていた
のを待って下さい、必ず展示するところを作りま
すと言って、4年目にしてようやく実現しました。
その時の感動を味わいながら、街づくりにがんぱ
っていきたい」と挨拶=写真上=。観光客や市民
が立ち寄り、写真に撮り、早や商店街の観光名所
になりつつあるという。
 来賓の深田昌文商工課長が「リスクを背負いチ
ャレンジしている人達を応援するのは当たり前。
是非とも成功していただきたい。商店街の中心地
で感動のスペースになる」とお祝いの言葉。
 ベンチャー支援など木織理事長と親交を深めて
いる稲田全示尾道大学美術学科教授は「木織さん
とは尾道大学の学生食堂で初めて会い、お世話に
なった。帆船時代、栄えていた帆布を今日的商品
に再生、ビジネスとして成功させている。木織さ
んの人徳です」と全国的にも希有な存在だと高く
評価していた。
 尾道大学地域総合センター長、川田一義経済情
報学科教授は「3年前、大学に来て初めて、帆布
を知った。帆船時代より現在の方が用途も増え、
今後、尾道発展の起爆剤になって欲しい。センタ
ーも支援できるところがあれば積極的に協力、一
緒に活性化につとめていきたい」とエールをおく
った。
 展示資料室の機械を提供した尾道帆布、高橋浩
社長は「糸掛け機械の木は私の祖父がこさえた。
型が古くて使ってもしょうがないと捨てようと思
っていた。骨董品として使ってみたいということ
でこちらに持って来た。糸を紡ぎ、使っていた時
と同じスタイルにしました」とのべ、乾杯の発声。
参加者は親睦を深めていた。
 帆布資料室に展示されているのは昭和9年
(1934)、創業当時から使われてきた1トン
もの重さの織機と製経器。それに目を見張る、約
700本の糸巻がかかる高さ3m、長さ4mもの
V字形をした、縦糸を織るイギリス製の「クリー
ル」が置かれている=写真下=。
 入口には帆布が織りあがるまでの作業工程を紹
介するDVD(約30分)を上映している。
 尾道の伝統産業の帆布を守り育てる拠点、それ
に尾道新名所として早くも脚光を浴びている。



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