山陽日日新聞ロゴ 2004年7月22日(木)
「ミスすみよし」が祭りに華添える
 夜空を染め抜く管絃船
  夏の風物詩「津部田住吉祭り」
提灯いっぱい管絃船
 復活し10年目を迎え、尾道向島地方の夏祭りと
して定着、風物詩として欠かせない向島町津部田
地区(半田守正大組長、450世帯)五烏(ごか
らす)神社「住吉祭り」が今年も24日夜開かれ、
3隻の管絃船が「ワッショイわっしょい」と勇壮
に練り歩き、大小300個を超える提灯が夜空を
染めあげる。
 住吉祭りを担う地域おこしグループ、津部田伝
統保存会(会員230人)主催で、祭りは24日夜
7時から津部田コミュニティセンターで開幕。管
絃船の巡幸を祈りお払い、鏡割りで威勢をあげ、
男性、女性、子どもと3隻の管絃船が五烏神社ま
で約300mを練り歩き、奉納する。
 「ミスすみよし」が管絃船に乗り、祭りに華を
添え、来賓の佐藤公治代議士、新田賢慈町長、高
山博州県議ら来賓も肩を入れ、管絃船を担ぐ。
 地域と学校が交流を深め、町内4小中の教諭が
祭りに参加、体力に自信がある先生は管絃船を担
ぎ、伝統行事を肌身で知ってもらう。
 五島神社境内では小中高大学生が青森のねぶた
祭りのお囃子を彷彿させる鉦、太鼓、笛による
「チャンギリ」、「のぽり太鼓」、「戻り太鼓」
を演奏、祭りは佳境に入り、管絃船を左右前後に
動かし、地面スレスレに押し倒すなど最高潮に達
する。
 住吉祭りは約300年前の江戸時代前期、海運
の隆盛を祈願して、はじめられた。当時、津部田
地区は天然の良港で管絃船は安芸の宮島の管絃祭
りのように海に浮かべ巡幸していた。
 お囃子のチャンギリ、戻り太鼓は北前船が東北
から運んできたもので青森のねぶた祭り、秋田の
竿灯のおはやしによく似ている。江戸時代元禄年
間、塩田を造成するため海は埋め立てられ、管絃
船は陸に上がり、担がれるようになった。



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