山陽日日新聞ロゴ 2004年6月6日(日)
"ひげの梶さん"最新作
  「広島で城下と宮島を歩こう」
表紙の写真
《歴史の散歩者ひげの梶さん新刊来る》
 ひげの梶さんの愛称で御当地尾道にもファンを持つ梶本
晃司さん(ひげの梶さん歴史文学探歩会主宰/鎌倉在住)
のシリーズ第5作となる新刊「広島ご城下と宮島を歩こう
!」(南々社刊/142ページ/税抜¥1600円)がこ
の程発刊された。
 「出会いのよろこぴ発見の驚きを求めて 今日も歩きま
しょう!」と、まだ見ぬ宝島を目指して探検する冒険少年
の様に、ワクワク楽しみながら元気良く今回歩かれたのは、
何れも世界遺産のある町−地元広島と安芸の宮島。
 広島城下は紙屋町を振り出しに東西南北5つのコースが
設定され、広島城に縮景園といった有名所から、ひっそり
おわす路傍の神仏迄、大小問わず幅広くその出会いと発見
を楽しんでいる。宮島コースは核たる厳島神社を始めとす
る神社仏閣、史跡に小路に自然と、蒲田知美さんのほのぽ
のとしたイラスト。
 散歩する中で尾道と絡むものでは、中区袋町の頼山陽史
跡資料館(21P)、互いに相通ずるものとしては菅原道真
公が太宰府左遷の折り船を寄せられたと伝う東区二葉山の
尾長天満宮(66P)、尾道を代表する郷土玩具「田面(た
のも)船」と言えば木工職人によって製造されたが、宮島
においては各家毎の手製になっているといった話に目が止
まる(121P地図/たのもさんを祀る四の宮神社)。
 また、コースには登場しないが城下町の一角には「尾道
町」があった。広島城築城に伴い尾道浦から移住した大工
や石工による職人町である。往時を偲ばせるこうした歴史
的な旧地名が城下には多い。コース振り出しの紙屋町もそ
うで、伊予国の伊予屋なる屋号の商人が此処で紙を商った
事に起る。この点では鍛冶屋町、石屋町、いかり屋小路に
杓屋小路、豪商縁故では小川町、今蔵小路、等々、歴史を
語る生きた地名遺跡では我が尾道も負けてはいない(別に
張り合うつもりはないが)。
 本を通して歴史を堪能されるのも勿論良いが、是非これ
を歴史探検のお伴にして歩かれる事をオススメしたい(尾
道の歴史本にあっても同じ)。宝島への地図を唯眺めて楽
しんでいるだけでは意味が無い。行く先々でキラリと光る
歴史のかけらを求めていざ歩き出そう。それも探歩=探し
求めながら歩くものだから、大林監督が提唱する尾道歩き
の如く先ずは迷い込んだ方が良いのかもしれない。さまよ
いながらやっとの事でお目当てのスポットに巡り会える。
地図やガイドブックでストレートに其処に至るよりもその
喜び・感動は大きいはずだ。
 そして其処で初めてこの本を開きフムフムと頷けばいい。
物語の中の宝島の地図も破れていてはっきりしないという
パターンが多い。誤解無き様この本は無論はっきり鮮明だ
が、あえてアクセス面は頼らず迷うつもりで飛び込んで見
たらどうだろう。途中で指定のコースを逸れてしまっても
いい。それによって又新たな発見が其処にあるやもしれぬ
のだから。そうして歩きに歩いて物知りになったばかりか、
健康増進というオマケ迄付いて来るのだから、何とも言う
事無しではないか。
                (レポート林良司)。

転載責任者メモ:ひげの梶さんは現在、CSデジタル放送スカパー!
        「旅チャンネル」で新選組を訪ねる京都案内の番組を
        お持ちなのでお馴染みの方もいらっしゃるでしょう。
        京都に馴染みのない私も、この番組のファンです。
        深い話を軽妙なおしゃべりで聞かせて下さいますが、
        本もそのまま大変楽しい作りになっています。
        以前紹介された「ひげの梶さんと西国街道を歩こう!」は
        当ページでは こちら と こちらに載せています。


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