山陽日日新聞ロゴ 2004年4月20日(火)
ライトアップ
「合併」を先取りして尾道水道が『一本化』
 尾道水道 美しい六色の光の帯
  どこからでも見られる新観光スポット
ライトアップされたクレーン

式典の様子
 尾道の夜景が一変した−。二年継続で実施される広島県の
大型観光キャンペーンのオープニングセレモニー(尾道会場)
にもなった、対岸のクレーンのライトアップ点灯式が十七日
午後五時半から、駅前ベルポール広場で行われ、多くの市民
が駅前付近海岸や海岸線、千光寺山頂などから、この″歴史
的″な点灯を見物した。
 点灯式には、日立造船の大塚良雄向島工場長や徳光郁夫尾
道駅長ら来賓はじめ多くの市民に、遠来の観光客も参加。亀
田市長が「全国で初めてのクレーンのライトアップである」
とその独創性を挨拶で強調した。
 横山泉・県尾三地域事務所長が祝辞。県の観光キャンペー
ン事業を紹介後、その新ロゴ(マーク)を発表(写真右)。
 キャッチフレーズの「ええじゃん広島」は、全国4783通の
応募の中から、尾道市観光文化課の島谷豊幸係長の応募作が
採用されたものと発表した。
 ロゴマークは、広島市出身で国内外で多くの受賞がある大
阪芸大大学院の松井圭三教授の製作。温暖で風光明媚な広島
県の山々や島々、美しい瀬戸内の海をモチーフに、広島県の
地図をイメージしたもので、二年間の観光キャンペーン、各
イベントに登場する。
 「ええじゃん」は「良い」という意味の広島弁だが、当尾
道では今や港祭りの踊りの代名詞(というより固有名詞)に
なっており、その意味では尾道にとっては二重のPRにもな
ると市関係者を喜ぱせている。
 日没、点灯までの間、向島の有道郷土芸能保存会の子ども
達による「龍王太鼓」の演技と、昨年の「ええじゃんSAN
SA・がり」コンテストで優勝した、キッズの部の「栗北パ
ワーズ」とグランプリの部の「ねたきりになら連」の皆さん
が「ええじゃん」をそれぞれ披露した。
 点灯が迫り、照明デザイナーの岩橋庸夫さん((有)ラフ
ィーネ)が、六本木ヒルズやハウステンポスの照明も手がけ
たと紹介され挨拶。
 「尾道から依頼されたことを話したら、母親から尾道は日
本一美しい町だと言われプレッシャーを感じた。初めて尾道
に来て、すぐに現場(日立)へ行くのかと思ったら、まず千
光寺山に登って景色を見るように言われた。
 亀田市長から尾道は三山と尾道水道なかでも寺が独特の雰
囲気を醸し出している町なので、このムードを大切にしてほ
しいと言われ、市長から特に″寺の色″である紫色をと注文
がつき、なにしろ初めての経験でありこの紫色に苦労した」
と経過を説明した。
 岩橋さんの尽力で、この点灯式を見ようと全国各地から
″観光客″が来尾している。
 前夜の試験点灯で、日没後、暗くなってから点灯した方が
よいとの判断があり、午後七時を過ぎてから点灯式に入り、
亀田市長が対岸の尾道側からスイッチボタンを押した。点灯
後、三分程度たって徐々に六基のクレーンが色鮮やかに変身
し始め、左から順に白・グリーン・ブルー、オレンジ、黄、
紫の六色の光の帯が尾道水道を美しく照らし出していた。
 この頃には、駅前の横断歩道橋にも人だかりが出来、格好
のデートスポットになると予感させるように、アベックや家
族連れが″メルヘンの世界″に誘われていた。
 当初、六時四十分ごろ点灯と発表されていただめ、千光寺
山頂の「さくら茶会」会場から「まだ灯かないが、どうした
のか?」という催促の電話が駅前の会場に掛かり、関係者を
ヤキモキさせた。
 日没から三時間、点灯される。従って夏場は午後十一時ご
ろまで、逆に冬場は午後八時すぎには消えることになり、こ
れらは今後の課題になる。
 また、月曜日午前中、柚木参事(観光文化課長)は「道路
沿いに駐停車して眺める車が多く、交通混雑の元凶になると
苦情が早くも来ている」と、今日の日本社会のモラルの欠如
を嘆き、対策に頭を痛めていた。

転載責任者メモ:今回尾道からカラー写真を送っていただきました。感謝いたします。
        写真右手前にある渡船(フェリー)と比べても分かる通り、実物は
        とても大きいので、かなりの"見もの"でしょう。
        なんとなく「しまなみ海道」のキャラクター「しまなみキララ」を
        思い出す色どりでもありますし、折り鶴のようにも見えますね。

        「合併」とは、尾道市と対岸の向島町の合併を指します。現在は
        向島(むかいしま)の半分が尾道市で、あと半分は向島町です。
        (2005年3月合併)


ニュース・メニューへ戻る